散歩の六百十五話 美味しい夕食で復活します

「また来るねー!」

「「「「ばいばーい!」」」」


 王妃様とジェフちゃんは、四時前に王城に帰っていきました。

 この分だと、また近いうちにジェフちゃんが遊びにきそうです。


「「「あふう……」」」

「あ、あの、大丈夫ですか?」

「「「だ、だいじょばない……」」」


 僕たちは王族に慣れているけど、慣れていないジジたち三人はまるで魂が抜けたような表情をしていました。

 よく分からない返答をしているし、本当に精神的に疲れてしまったのだろう。

 かなり申し訳ないので、夕食まで客室で休んで貰った。

 客室の豪華さに、またもや驚いていたけど。

 その間に、僕たちはお風呂に入って着替えを済ませます。


 コンコン。


「シュンさん、入っても良いですか?」

「大丈夫だよ。フランたちを着替えさせているけど」

「待てー!」

「「「わーい」」」


 お風呂に入ったタイミングで、スーが僕の部屋に入ってきました。

 シロがフランたちを追いかけて着替えさせているけど、ちびっ子は本当に元気ですね。

 さて、スーの話は何でしょうか?


「先ほどお父様より連絡がありまして、明後日辺境伯会議を行うそうです。私とシュンさんも、参加して欲しいと言われました」

「前にも話のあった件だね。予定もないし、大丈夫だよ」

「では、お父様に返信しておきます。シロちゃんも一緒にいた方が良いですね」


 いよいよ、各地の辺境伯様と再会するんだ。

 各地の色々な思い出が思い出されるけど、皆さん元気かな?

 西の辺境伯様は、余計なことをしてエミリア様にボコボコにされていそうだけど。

 シロも、王城に行くのは問題なさそうです。


「そろそろ夕食ができるから、食堂に移動するよ」

「「「「はーい」」」」


 着替え終わったフランたちとともに、みんなで食堂に向かいます。

 少しすると、ジジたちも客室から食堂にやってきました。

 そして、歓迎の意味も込めた料理が並んでいきます。

 美味しそうな料理を見て、三人のテンションも復活しました。


「スゲー料理だな、シュンが作ったのか?」

「流石に、屋敷にいる時は専門の料理人が作っているぞ」

「ははは、ここでもシュンが料理を作ったら流石に大変か」


 こうして軽く軽口を叩くくらいには、元気も戻っていますね。

 ちなみに、フランたちがいる名目でお酒は抜きです。

 この屋敷の主が暴れないようにとの意味でも防いでいますけど。


「「「おいしー!」」」

「ふふ、良かったね。どんどんと食べるんだよ」

「「「うん!」」」


 ルンは明るい性格なので、フランたちとも直ぐに打ち解けています。

 ゴルはというと、アオと何やら色々な事を話しています。

 こちらは南の辺境伯領からの仲だから、何も問題ないですね。


「結局は、スーの実家に行っても騎士団長様というとんでもない人と会った訳か。男爵家といえども、ただの男爵家ではなかったか」

「でも、叔父様もとても良い人ですし、皆さんを直ぐに気にいると思いますよ」

「王妃様も、感じの良い人だったもんな。未来の王様も、元気いっぱいだな」


 ジジは、主に僕とスーと話をしていました。

 ジェフちゃんは良い人にしか懐かないから、三人も問題ないって思われているはずです。

 近いうちに他の冒険者とも会えそうだし、僕もスーも再会が楽しみだなあ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る