散歩の五百十三話 みんなの着替えに大あらわ
昼食後は代官邸に行くので、全員冒険者服からキチンとした服に着替えます。
僕は既に着替え終わっているんだけど、目の前に問題のある人たちが。
「シュンお兄ちゃん、これでいいの?」
「シュン、うまく着替えられないよー」
「シュンお兄ちゃん、ドレスが着れないの」
「パパ、どうやって着替えるの?」
「だー、お前ら着替えの時は毎回僕の部屋にやってきて!」
毎度恒例、シロ達の着付けを僕が行う事になっています。
流石にシロは一人でドレスを着れるようになったが、五歳児のフラン達は全然駄目です。
ヴィヴィなんて、ドレスを手に持ちながらパンツいっちょでいるぞ。
「僕だけでなく、アオやアイにも手伝って貰いな」
「「「えー」」」
「ふふ、皆さんシュン様に着替えさせて貰いたいんですね」
こうして、アオやアイだけでなく他の侍従にも手伝って貰いながら、全員の着付けを終えました。
髪の毛もセットして貰って、バッチリオッケーです。
はあ、昼食後なのにかなり疲れたぞ……
コンコン。
「シュンさん、みんなの着付けは終わりましたか?」
「ああ、何とか……」
「つ、疲れていますね。流石に四人の着付けは大変ですよね」
ドレスに着替え終えたスーが僕たちの様子を見に来たけど、僕はソファーに座りながら疲れちゃっていました。
スーは僕の事を見ていて苦笑していたけど、僕はスーのドレスを見てふと思いました。
そのうち、スーの謁見用の服も作らないと駄目だろうなあ。
着替え終えた僕たちは、連れ立って玄関に移動します。
「「「「おお、凄い馬車だ!」」」」
「別荘には、小さいながらも王家用の馬車が用意されております」
ワンウェイが驚いている僕たちに説明をしてくれたけど、細かい細工も施されたとても豪華な馬車だ。
流石は王家の馬車だ。
恐らく、別荘に来ている貴族に挨拶に行くためだろう。
そして、うちの馬がこの豪華な馬車を引くみたいだぞ。
「お願いだから、高価な馬車なんだから壊すなよ」
「「ブルル」」
「誰に物を言っているんだって、シュンお兄ちゃんに抗議しているよ」
若干うちの馬が暴走しないか心配だけど、賢い馬だから大丈夫だろうと思いたい。
ガチャ。
「それでは、皆さまお乗り下さいませ」
「「「「おおー!」」」」
ワンウェイが馬車の扉を開けたけど、内装もとても豪華な仕様になっていた。
座席もふかふかとしていて、とても座り心地が良かった。
因みにワンウェイが御者をするそうで、馬も誰が御者をするか分かっていた。
「それでは、代官邸に向かいます」
「「「「いってきまーす」」」」
ワンウェイが出発の合図をすると、シロ達が馬車の窓から見送りをする侍従に手を振っていた。
侍従も、にこやかにシロ達に手を振り返していました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます