散歩の五百十二話 みんな満足の昼食です
部屋の中を改めて見回すと、質の良い調度品が飾られていた。
ギラギラするものは一切なく、流石は王家の別荘だと実感した。
出されるお茶もとても美味しく、直ぐに最上級のものだと分かった。
アオも、ビックリしながらお茶を飲んでいる。
「アオ、今日は代官邸に行って情報を集めて終わりだな。半日とはいえ、馬車旅をしているのだから」
僕がアオに話しかけると、アオも同意する様にふにふにとしていました。
すると、僕の目の前には不思議そうにしているアイの姿がありました。
「シュン様、その、皆様はスライムの言っている事が分かるんですか? 私には全く検討がつかず……」
「アオのいうことは、スーも含めてみんなだいたい分かりますよ。アイさんもアヤさんも、もちろん屋敷の人もそのうちに分かるようになります」
「はっ、はあ……」
いきなりスライムの言うことは分からないと想うけど、アオは筆談もできるのでコミュニケーションは問題ないはずだ。
そんな事を話し合っていたら、部屋に別の侍従が入ってきました。
「失礼します、お食事のご用意ができました」
おっ、昼食ですね。
どんな料理が出てくるか、とっても楽しみです。
アオは、ソファーから立ち上がった僕の腕の中にぴょーんと飛び乗ってきました。
侍従の後をついていきながら、食堂に向かいます。
ガチャ。
「あっ、シュンお兄ちゃん来たよ!」
「「「遅いよ!」」」
シロはニコニコしながら僕とアオの事を出迎えてくれたけど、フラン、ホルン、ヴィヴィはお腹が空いて待ちきれないのか、僕に文句を言っていた。
でだ、僕の座るところに問題が。
「スー、何で僕が主人の席になっているの? ここはスーが座るべきじゃないの?」
「えっと、将来の事を考えるとこの配置で問題ないと……」
ああ、そういう事ね。
将来結婚するのだから、この位置でも問題ないということですか。
他の侍従も、何も問題ないって表情をしていた。
「皆さま、お待たせいたしました。本日は、湖で獲れた魚を使ったメニューとなっております」
「「「「おいしそー!」」」」
料理長っぽい人が出てきて、侍従が料理を配りつつ説明をしていた。
魚のムニエルに付け合わせのサラダが配られて、シロ達のテンションが上がっています。
「ふふ、待ちきれないみたいね。食べて良いわよ」
「「「「はーい、もぐもぐ。おいしー!」」」」
「喜んで頂き、なによりでございます」
シロ達が美味しいを連発しながらニコニコとムニエルを食べるので、料理長も思わずニコニコとしています。
魚の旨味が強いので、どんな料理にも合うのだろう。
そんな事を考えていると、スーがくすくす笑いながら僕に話しかけてきた。
「ふふ、シュンさんは湖で獲れた魚を使った料理を考えていますね」
「うん、良く分かったね。これだけ旨味の強い魚だと、シンプルな料理でもとても美味しいだろうな」
「ふふ、シュンさんの考えている事は直ぐに分かりますわ。シュンさんの料理なら、どんな食材でも美味しくなりそうですわね」
魚釣りをしたら、みんなに料理を振る舞おう。
そんな事をスーと話していたら、僕とスーの事をじーっと見ている視線が。
「あー、またシュンお兄ちゃんとスーお姉ちゃんが新婚さんごっこしている!」
「「「しているよー!」」」
「ほほほ、いやいや仲良くて何よりですな」
あの、僕とスーは普通に話をしていただけですけど。
料理長も話しに参加してきたけど、このくらいは別におかしい事はないだろう。
そんな事を思いながら、みんな食事を再開しました。
もちろん、全員綺麗に完食です。
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