散歩の二百七十八話 皆で海水浴

 翌日は、予定通りに皆で海に行きます。

 海の近くに更衣室を兼ねた建物があるので、僕は一足先に着替えて砂浜で女性陣を待ちます。

 砂浜には多くの人がいて、思い思いに海水浴を楽しんでいます。

 うーん、何で女性の多くが際どい水着を着ているのかは謎だな。

 

「お待たせしま、シュンさん、何で周りの女性に見とれているんですか?」

「いや、単純に何で皆際どい水着を着ているのかと疑問に思っただけですよ」

「あー、確かに水着売り場も際どい水着が多かったですね。どうせ私は胸がないから、あんな水着は着れないですけどね」


 いや、ぷんぷんしているスーも、ハイレグの水着を着ているではないですか。

 スーパーハイレグまではいかないけど、充分際どいですよ。

 際どいのが、この世界の水着のトレンドだと思いたい。


「おー、足が変な感じ。ぞぞぞってなるよ」

「変な感じだけど、面白いね」


 フランとホルンは、波打ち際で初めての波の感触を楽しんでいます。

 あの足裏が持っていかれる感触は、初めてだと変な感じだよね。


「はいはい、日焼けしない様にオイルを塗るよ」

「「はーい」」

「じゃあ、シロがスーお姉ちゃんにオイルを塗ってあげるね」

「ええ、お願いするね。終わったら、私がシロちゃんにオイルを塗るわ」


 皆でオイルをぬりぬりして、いざ海水浴スタート。

 波は穏やかで海は綺麗なエメラルドグリーン。

 行ったことはないけど、前世の沖縄の海ってこんな感じなのかな。


「ぷかぷかしているね」

「ぷかぷかだね」

「そう、それは良かったわ」


 フランとホルンは、浮き輪に乗って楽しそうに海の上を浮いています。

 僕とスーがフランとホルンを見ている間、シロとアオは沖にある島まで競争していました。


「うーん、日差しと波が気持ちいいね」

「うん、ぷかぷか」


 でも、こういう穏やかな波の時に限って突然大きな波がやってくるものです。


 ざぱーん。


「わあ。ぺっぺ、しょっぱいよ」

「いきなり大きな波が来た!」

「ははは、波は一定じゃないからね、たまに大きな波がやってくるよ」


 浮き輪に乗りながら文句をいうフランとホルンに、僕は笑いながら話しかけました。

 さて、僕の隣にいたスーはというと、もっと面白い事になっていました。


「「はははは!」」

「す、スー、頭に海藻が乗っているよ。ははは!」

「笑ってないで、これを取ってください!」


 スーの金髪の上に海藻がでろーんと乗っていて、かなりシュールな事になっています。

 僕は笑いながら、涙目のスーの頭の上から海藻を取ります。

 こんな大爆笑シーンを作ってくれるなんて、やっぱりスーは何かを持っています。


「やっほー、大きなヤシの実を取ってきたよ! 何で皆笑っているの?」

「スーが、凄いことをしたんだよ」

「えー、シロもスーお姉ちゃんの凄いの見たい!」

「シロちゃん、見なくて良いのよ」


 泳ぎ終えたシロとアオは僕達を見てちょっと不満げでいるけど、スーの爆笑シーンは再現不可能だろうな。

 中々面白い海水浴で、皆の楽しめて良かった良かった。

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