第三百八十六話 結婚式前の人神教国の動き

「やはり王都に戦力を集中させる様だな」

「ある意味、これが人神教国にとって最後の悪あがきなのかもしれないですね」


 俺の結婚式も近づく中、各地の人神教国の残党から集めた情報だと沢山の貴族が集まる俺の結婚式で派手に戦闘を引き起こす事を企てているらしい。

 会議の中で報告される内容に、皆溜息をついていた。


「こちらも直ぐに動ける様に準備はしておきます」

「その様な事態にならない事を祈るばかりだな。奴らは本当に何をしてくるか分からない」


 新郎新婦が活躍する様な事が無い様に、軍の市中巡回も強化するという。

 うちのメンバーは、従魔含めて殆ど教会の結婚式に参加するのだが、流石にバハムートと馬は教会に入ることはできない。

 なので、万が一の為に教会前で待機して貰う予定だ。


「市民に被害が及ぶのは避けたいです。家の破壊や火災も警戒しないとなりませんね」

「そこはリーフが鍛えた魔法兵がいる。特に住宅密集地には重点的に配置する予定だ」


 リーフもシルも実習生含めてかなり厳しい訓練をしているらしいので、人神教国の残党ごときでは遅れは取らない。

 問題は何かあった時の対応だな。


「勿論フル装備を準備します。何かあっても対応出来る様にしています」

「来賓の警護もありますが、従魔のワープで一気に王城へ移動出来ますね」

「ぶっちゃけ、何が起きても大丈夫な気もするよ」


 うちに帰って皆に話をしても、既に準備は万端らしい。

 エステルも油断はしていないと思うけど、それ以上に他のメンバーの気合が入っている。


「お兄ちゃんの結婚式は邪魔させないよ」

「邪魔をした人は、全員倒すよ」

「リリも結婚式は楽しみにしているのに」

「敵は殲滅する」


 既にミケ達は何かあっても直ぐに対応するつもりでいる。

 そしてスラタロウにホワイトを初めとする従魔達も、やる気満々でいる様だ。

 というか、そんな事になったら王妃様達が黙っていない可能性が極めて高い気がする。


「屋敷に方も問題ありませんよ。何かあったら三つの屋敷共に避難所として使用できますし、食料も問題ありません」

「屋敷に残る侍従も強いですし、心配無用です」


 マリリさんとフローレンスからも言われた通り、うちの侍従は下手な兵よりも強いしその辺は問題ない。

 こうして期待と不安の中、結婚式当日を迎える事になった。

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