第三百四十話 エキシビションマッチその二
「続いても聖女部隊のお二人、マリリとマルクの二人です。この二人も、来年結婚する事になっています」
「「「うおー!」」」
何だかいちいち観客の反応が凄いな。
アルス様のお姉さんがマリリさんとマルクを紹介したら、観客は両手を突き上げて二人を出迎えている。
「この二人は一時期このお屋敷で働いていたので、知っている人はいるかもしれません。聖女部隊でも上位に位置する魔法使いにて、万能メイドに万能執事でもあります」
「因みに、お互い特にいう事はないとの事です。羨ましいですね」
既にラブラブな雰囲気を出している時があるので、羨ましい時がある。
観客も、ひゅーひゅーと言っているぞ。
「因みに今回は魔法戦となります。勿論聖女様バリアがあるので、安心して見ていられますよ」
「「「おお!」」」
いやいや、魔法戦だなんて聞いていないぞ。
念の為に、魔法障壁は厚めにしとこう。
「では、試合開始!」
イルゼの母親がこの試合の審判らしい。
俺が魔法障壁を展開したのを確認して、試合開始となった。
ズドーン、ズドーン、ズドーン。
「「「すげー!」」」
初手から派手な魔法の打ち合いで、観客は大盛り上がりだ。
しかも爆炎系の魔法を使っているので、かなり派手に戦っている様に見える。
余波が凄いので、俺は魔法障壁を維持するので精一杯なのだけど。
「これだけ派手だと、観客も盛り上がりますね」
「とか言って、ルキアもやりたいのでは?」
「まあ、すこしは」
ルキアさんとアルス様の夫婦もこの戦いには満足しているが、魔法戦ならルキアさんも出たそうだ。
でも開会式での襲撃者をぶちのめした右ストレートがあるから、ルキアさんは既に大丈夫ですよ。
「先ほどの試合といい、この試合もそうだがレベルが高いな」
「それでいて両者共に本気を出していないか」
「サトーの魔法障壁ならあの魔法でも破られる事はないですが、盛り上がるギリギリを演出していますね」
「来年は私達も参加してみたいですね」
またもや王妃様達と竜王妃様達が話をしているが、皆さんが参加するとなると試合会場が壊れる気がします。
「サトー、後ほど学園でも模擬試合をする事になるぞ」
「このレベルの試合を見せる事は、学園生にとっても刺激があるとの事です」
「いや、このレベルの試合だと萎縮しませんか?」
「それは大丈夫だ。出来れば軍でもやって貰いたい」
何故か陛下とチナさんが一緒にいるけど、学園生には荷が重いのでは?
何気に軍務卿も軍にもと言っているが、そこは別の人にお願いしたい。
「ミケも試合やりたいな」
「ララもやりたい」
「リリも!」
「レイアもしたい」
そして、派手な戦闘を二試合見た為か、ミケ達も試合をやりたがっている。
試合の進行もあるのだから、今日は観戦で我慢してください。
「時間です」
「そこまで」
「「「うおー!」」」
十分になったので、試合が終了となった。
派手な魔法戦だったので、観客の受けも相当いい。
そんな中、メイド服を着ているマリリさんと執事服のマルクは一切汚れがついていない。
涼しい表情で、控室に戻っていった。
「この後、舞台の清掃を行った後決勝戦になります」
「いやあ、決勝が楽しみだ」
「決勝の二人も手練れだし、いい試合になりそうだ」
舞台の準備をしている間、観客は決勝戦に向けてわくわくしている。
凄い試合が二試合続いたので、決勝が楽しみなのだろう。
かくいう俺も、どんな決勝になるか楽しみだ。
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