第三百一話 久々の平穏な日
「公国の事も落ち着いたし、これからは人神教国に注力だな」
「先日は一気に仕掛けて来ましたけど、もしかしたら余裕がなくなってきたのかもしれません」
「王国と帝国で、人神教国関連の締め出しをしている。資金不足かも」
公国から帰ってきた翌日、宰相とレイアと仕事しながら話をしている。
人神教国とは色々とあったけど、もうそろそろ決着をつけないと。
それに向けて物資の調達や国境警備の増強など、色々と方策をしている。
特に先日の魔物のあふれがいい教訓になったので、急ぎ防衛策の見直しをしている。
ガーゴイルが現れたので、上空の敵への対策を進めるという。
「何れにせよ、各地の収穫が無事に終わってからだな」
「収穫もありますけど、うちの子ども達は収穫祭の方を楽しみにしています」
「お祭り楽しみ」
各地の収穫が無事に終わって、冬を越せる準備ができないと。
とはいえ、既に麦の収穫も野菜の収穫も順調で、贅沢しなければ普通に冬を越せる量の収穫が済んでいる。
ドワーフ自治領での米も、例年通りの収穫量が見込まれるという。
「来年に向けての事業計画は、各部署で作っている。恐らく人神教国の件が済んだら、その辺も本格化するだろうな」
「個人的には、もうちょい市民の暮らしを良くしたいですね」
「住民の環境を、もっと改善したい」
「今までは、貴族主義の連中が自分達の環境を良くしろと煩かったが、当面はスムーズに政策が進むな」
「あ、そういえば明後日に中断になった薬草取りを行うみたいです。うちのメンバーだけでなく、入園希望者や学園生も参加するらしいです」
「森の調査もやる」
「森の調査はある程度軍もやっているけど、探索スキルはサトー達の方が上だろう。薬草取りは、部局に知らせておこう」
元々薬草が足りない所に、今回の襲撃の件があった。
更にこの後の人神教国との争いも想定されるので、今度の薬草取りは制限なく取ることにする。
ただ、参加人数が多いので、王都二箇所とバルガス公爵領とバスク子爵領の四箇所に分ける。
俺とレイアは、普通に仕事があるので参加しない。
チナさんは、たまたま学園の授業の一環でギルドの体験学習を行うタイミングだったらしく、引率の教員として参加する。
サポートとして、マールさんとローゼさんも参加するという。
うん、薬草が取れる量がとんでもない事になりそうだ。
その後もガリガリと仕事をこなして、夕方にレイアと共に帰宅。
「「ただいま」」
「「「「お帰り!」」」」
「おっと」
レイアと共に玄関でただいまを言うと、ミケ達が一斉にやってきた。
少し遅れて、フェアとオリヴィエもやってきた。
顔色も良くなってきたな。
二人の頭を撫でながら、少し話しかけた。
「フェア、オリヴィエ。元気になったな」
「うん」
「ごはん美味しい」
少し線が細いが、体力はあるようだ。
子ども達とも、一緒に遊んでいる。
ダークエルフに堕天使なんて聞くと、前世のファンタジーから性格がワガママでキツくくあまり良くないイメージがあったけど、二人は逆におとなしいしとっても素直。
今は少し遠慮しているのかもしれないけど、その内元気に走りまわってほしい。
「「「「わーい!」」」」
「こらー! お風呂から出たら、ちゃんと服を着なさい!」
ここでお風呂から上がって、全裸で走りまわっているマシュー君達にコタローが登場。
それを追いかけるエステル。
エステルも、バスタオル一枚で走り回らないの。
さて、部屋に戻るか。
「ギャー!」
「「「「ハハハ! エーちゃん裸ん坊!」」」」
二階に上がると、一階からエステルの悲鳴が聞こえてきた。
きっとマシュー君達を追いかけて走り回っているうちに、バスタオルが脱げたのだろう。
放置しておこう。
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