第92話

「ゾーイちゃん。物凄く格好いいよ」

「母様も凄く綺麗だよ」

「うふふ、ありがとう。この体、ぜぇーんぶゾーイちゃんのものだからね」

「ゾーイ、私はどう?」

「ドロシー先生も勿論可愛いよ」

「むぅ、可愛いより、綺麗って言われたい。まぁだけれど今日は気分がいいから許してあげる」


 いつもより一層着飾った姿の婚約者たちは物凄く綺麗で、こんな綺麗な人たちと結婚できるなんて僕は何て幸せ者なんだとそう思う。前世だったらきっとこんな人たちとは触れ合うことなんてできなかっただろう。


 ……そう言えば、僕は婚約者たちに僕が転生者だということを伝えていない。

 

 伝えるべきだろうか?伝えなかったとしたらきっとこれから先、なにも影響がなくみんなと暮らせるだろう。


 じゃあ、伝えたとしたら?何か影響があるだろうか?


 考えてはみたが、なにも影響はなかった。不安に思うことなんてなかったのだ。みんなが過剰に愛を僕に注ぎすぎているから。


 きっと伝えたとしても「それがなに?」と言われるだけだろうけれど、隠し事をしているのは、後ろめたいことがあるような感じであまり気分が良くない。


 今日は夜が長い。


 その時に伝えることにしよう。


「どうしたんですかぁ?ぞーいさぁん」

「な、何でもないです」


 僕が黙り込んでいるから、何かあったのかとヴィクトリアさんがきいて来るが今は話すことではない。


 結婚式を精一杯楽しんでから、伝えることにしよう。


 数十分後、僕と花嫁たちとの結婚式が始まった。


 この世界ではまず、結婚式というものがあるのにはあるのだが、開く人がほぼいない。それは一重に男のせいだと言える。


 そして、この世界では誓いのキスは男側からではなく女側から行われる。ベールを上げる役目は男側の役目ではあるが。

 

「それでは、新婦、ヴィクトリア様。誓いのキスを」

「はぁーい」


 ヴィクトリア様は際どいウエディングドレスを着て、僕の前に立ちソフトどころではない、濃厚なキスをしてきた。絶え間なく涎を流し込まれるが、僕も最近は、みんなとキスをしているため、鍛えられている。


 ヴィクトリア様のキスに応戦することに成功した。


 それを見て、嫉妬心をむき出しにした他の婚約者たちもヴィクトリア様に負けじとキスをしてきたり、エリザ様と僕が結婚するから式を見に来ていたご主人様が魔法でキスをしている所に割り込もうとしてきたり、色々あったが、最終的にはいい式で、良い思い出だったと言えるものだった。


 そして、重要なのは式だけではない。いや、式よりも重要かもしれないし体がもつかもわからない。


「さ、ゾーイさん。行きましょう?今日はたぁーくさん気持ちよくしてあげますからねぇ?」

「お手柔らかにお願いします。あ、あとする前に話したいことが話したいことがありますから」

「ん?分かりましたぁ」


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「これは友達の話なんだけれど」と相談したけれど、本当に友達の話なんだが


 を出しました。この作品も引き続きよろしくお願いします!!





 



 

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