第57話

「ゾーイさん、おはようございまぁーす。まだお眠ですよね?」


 ヴィクトリア様に優しく揺らされて目が覚めるが、正直まだ寝たいのでうっすらと開いた目をゆっくりと閉じる。


「うふふ、可愛いゾーイさん。私も一緒に寝ちゃいましょうかぁ。面倒臭い事ぜぇーんぶ忘れて寝ちゃいましょうね。私のお胸でスヤスヤ寝ましょうねぇ。胸を吸ってくれても構いませんよぉ」

「ん、んぅ」


 顔をヴィクトリアさんの豊満な胸に抱きかかえられたのでうっすらと目を開けるとそこは丁度谷間の部分だった。最近、こうして胸に抱きかかえられることが多すぎて、かなり居心地の良い場所となっている。


 耳元で熱い吐息交じりのエッチな声で耳を擽られるのは未だになれてはいないけれど。


「あらぁ?私のお胸でそんなに気持ちよさそうに寝ちゃわれると可愛すぎて眠れませんねぇ。でも大丈夫ですぅ。私はゾーイさんの可愛いお顔だけで100年は働き続けることが出来ますからぁ」


 慈しみを最大限に込めたナデナデと視線で僕を寝かしつけようとする。


 心臓の鼓動も相まって僕はすぐにうとうとしてしまい、ゆっくりと意識を手放した。


 最後に見た、ヴィクトリア様の顔はひどく歪んでいるように見えた。



「ゾーイさんは、ほんとぉに可愛いですね。私のお胸でこんなに安心して眠ってくれるなんて。赤ちゃんのようですね。可愛すぎてぇ、食べちゃいたいくらいです。でもぉ、あっちの子は狂暴なのかもぉ、しれませんね。それもあと少しで分かるでしょうけれどぉ」


 そう言って、慈しみを込めた視線が歪んだものへと変わり、口の端から涎が垂れる。その目はゾーイの下半身へと向けられていた。


「ゾーイさんともうちょっとイチャイチャしたいですけれどぉ、あと少しでドロシーちゃんが帰ってきちゃうのでぇ………『スリープ』」


 ヴィクトリアは魔法を浅い眠りを深い眠りへと変えて、五時間ほどは起きられないようにして、お姫様抱っこのような形でゾーイの事を持ち上げ、真っ暗な別室へと運び逃げられないように両手両足に手錠をかける。


「ゾーイさん、すぐにぃ、戻りますからね。私はあなたのお嫁さんだからぁ、帰ってきたら一杯抱き締めてぇ、キスもしてぇ、そのあと私の熟成したトロトロなあそこにぃ、ゾーイさんの物を入れてくださいねぇ。沢山。子供、作りましょうねぇ。だからぁ、今はこれだけで満足してあげますぅ」


 寝ているゾーイの首元に痕がつき唾液がべっちょりと付くほどキスをした後その部屋を後にした。


 

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