第40話

「それじゃあ、作戦開始。待っててね」


 自分と僕に障壁を張って禁呪指定の威力を放ち、見事壁と結界をぶち抜いて外へと抜けられる穴ができる。


 予想通り、すぐさま連絡は行ったようでものすごいスピードでこちらに来る七人の反応があった。


 ドロシー先生にお礼をしつつ、この国から抜け出して転移陣のある方へと向かう。


 さて、ここで問題が生じてくる。


 僕はこのままドロシー先生の指示通りに動いてもよろしいのだろうかということだ。


 きっとその転移陣に乗って、ドロシー先生の隠れ家とやらに着いたとすればきっと僕はその中で一生を暮らすことになりそうな気がする。


 というか、あのドロシー先生の感じだときっとそうに違いないのだ。


 僕を見る目が正気ではないし、明らかに襲ってやるっていう目つきをしていた。前世であんな目をして異性を見つめていたら通報される。

 

 自意識過剰とかではなく、確実に僕を犯す気でいた。


 僕がドロシー先生だと知らず、健気な子供だと思って目一杯ハグをして頬にキスまでしてしまったからつもりに積もった思いが心臓からあふれ出したのかもしれない。


 ドロシー先生は前世基準からみれば、この世の者とは思えないほどの美人さんだし、今世基準からみてもあり得ないほどの美貌の持ち主である頃は疑いようがない。


 性格もまぁ、少々めんどくさがりだったり自分に興味ない物にはとことん興味ないところとか難はあるっちゃあるけれど一生を共に過ごすのなら多少難があった方が良いと僕は思っているし、その他の部分はとてもいいと思っているので一生を共にするならドロシー先生でも何ら問題ないとは思っている。


 甘えたがりなところとか可愛いし、お耳とか触ってあげた時はビクビクしてていじりたくなるし。


 だけれど、寿命の関係で僕のほうが先に死んでしまうことになるのは少し悲しいなとも思う。でもドロシー先生ならどうにかして僕のことを自分と同じ年齢まで生きられるようにしそうだなぁ.........................


 まぁ、これだけドロシー先生について語ってはいるけれど僕にはやりたいことがあるのだ。


 ドロシー先生にはとても申し訳ないと思っているが、先生の隠れ家には行きません。


 世界を旅し終わって、やりたいこと成し遂げられたならいいとは思うけれどそれまで待ってもらいたい。


 でも、何処へ行こう?


 うーん........................あ、聖王国のお隣さんのエルフの国に行ってみるとするか。


 ちょうどドロシー先生の故郷でもあるだろうから丁度いい。


 僕は転移陣には乗らず、逃げ出したときに困らないよう覚えていた知識を頼りにエルフの国へと風魔法と身体強化を最大限使って向かうことにした。


 これが、更なる状況悪化につながるなんて沢山のエルフに会えると思い浮かれている僕には到底予想できなかった。


 

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