第36話
真っ白な天井。
「知ってる天井だ」
ここ、神聖国へと来てからもうすぐ一週間経とうとしている今日この頃。
昨日はこれからどうすればいいのかと考えていたら、いつの間にか寝てしまっていたみたいだ。
「おはようございます、ゾーイ様」
「うん、おはようシャーロットさん」
「おはようございます、ゾーイ様」
「おはようございます...........エマさん?」
シャーロットさんが朝から僕の部屋にいるのはもう慣れてきたことだけれど、エマさんがここにいるのは初めてのことだった。
何か僕に用事があるのか?
「何故、エマさんがここに?」
「今日からゾーイ様の警護をシャーロットだけでなく、私も務めることに成ったのです。これからよろしくお願いしますね」
「あ、はい。分かりました。よろしくお願いしますね」
「はい、よろしくお願いします、ゾーイ様。しっかりお守りしますからね」
「ありがとうございます」
ニコニコと笑顔で返しながらも、内心少し焦っていた。
まずい.........................もしかして、僕が脱走しようとしていることがこの国のお偉いさんにバレているのか?
だから、シャーロットさんだけでなくエマさんを僕につけたのではないか。
本当はエマさんだけでなく陰から僕のことを他の七聖女さんたちも監視していたりして。
サーチをバレないようにそっと発動してみるが、どうやらエマさんとシャーロットさんだけらしい。
でも、例え僕が脱走しようとしていることがバレていなかったとしても実質監視が二人に増えたので明らかに脱走の難易度は跳ね上がったと言える。
「まだ、起きるのには少し早い時間ですからもう少し寝ますか?」
「うーん、そうだな。じゃあ、もう少しだけゆっくりしてようかなって思う」
「そうですか。分かりました」
もう一度、頭の中を整理するために目を瞑りつつ考えをまとめようとすると...........
「...........何してるんですか?」
エマさんが僕のベッドに潜り込んできたのでそう告げてみる。
「親睦を深めようと一緒に床に就きたいなと思いまして」
エマさんがニコニコしながらそんなことを言ってくる。
エマさんすごくいい匂いするし、包容力もあるし一緒に寝たいなって気持ちはなくはないけれど、もし万が一そういう雰囲気になってエマさんと致してしまって子供が作られてしまった場合、僕はこの国に残らなければならない。
孕ませておいて、無責任なことはできないからこの人と一緒に住む暮らしていくことに成るから今は遠慮したい。
まぁたとえそんな雰囲気になったとしても自制すればいいだけの話と言われればそうだけれど、この人もそうだけれどこの国にいる人色気がすごいから思わずしたいっていう気持ちが抑えられなさそうで心配なのだ。
このままここにいればいずれ誰かを孕ませてしまう。
早めにここから脱走しなければ、もっと警護という名の監視が増やされてしまうし、孕ませてしまう可能性もあるので早めに脱走しなければ。
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