第21話もうひと山越えます

2008-08-19 17:10:50


 ご無沙汰しています。先回の記事を書いてから色々ありました。


その後、退院直前に、検査をしたのですが、手術直後は脳全体が黒くなっていて、腫瘍がなくなったことを示していました。

それから約一ヶ月後の今回の写真には、また、同じ場所に白っぽい影ができていました。


 体調は回復して、脳の障害もかなり改善されてきて、これなら日常生活も安心と思った矢先のことで、かなり驚きました。


 とりあえずは、退院。一週間ごとに通院して、その影の状態を観察するということになりました。


 退院二週間前後は、すごぶる順調で、目の見え方も改善され、脳の障害はほとんど感じられなくなり、一〜二度は、車を運転して買い物にも行ったほどでした。


 心の底で、あの影は気になってはいましたが、目の前の父が元気なので、このままずっといてくれればとも、淡い期待を感じていました。


退院後、最初の外来では、脳の状態に変化がないとのこと。

なんでも、癌だと確認されなければ、治療ができないとか……


 素人には判断がつかないので、お医者さんにお任せする他はないのですが、手術して、経過観察というだけで、治療も抗癌の対策もないまま、時間が過ぎていくのがもどかしかったです。


 そして、三回目の外来に行った時に、影の部分が大きくなっているのが確認されました。

三センチくらいに大きくなっているので、そのまま放射線治療もできるが、ギリギリの大きさだとのこと。できれば、再手術で小さくしてから放射線治療をした方がいいとのこと。


 まさか、再手術ということになるとは、思ってもみなかったので、本人はもちろんのこと、家族もみんなショックでした。

そして、八月二一日に入院、二六日に再手術に決まりました。


 現在は、入院まで自宅で待機している状態。一時はかなり改善してきた脳の障害は、また日に日に悪化しています。


 もう、新聞が読めませんし、読んでも何が書いてあるのか理解できないそうです。

朝昼夜に自分で管理して飲んでいたお薬も、どれを飲んだらいいのかわからなくなってしまいいました。


 かといって、何もかもわからないかというと、そうではなくて、一部分はしっかりしている部分もあるのです。


 昨夜は、夜起きてトイレへ行った時、階段を踏み外したらしく、転んで腰を痛めてしまいました。


 父達の寝室は中二階になっていて、数段の階段がついているのです。元気な時はともかく、半盲の状態で、身体もなかなか自由にならない状態で、階段を移動するというのは、危険かもしれません。


 幸い、打ち身だけのようでしたが、強く打ったようで、「痛い、痛い」を連発しています。


 とにかく、悪性の腫瘍のことですから、このまま置いておくわけにはいきません。

父には、もうひと頑張りしてもらわなくてはなりません。


 お医者様に「もうだめです」と言われないうちは、まだまだ希望があります。

そう気持ちを切り替えて、あとひと山越えようと思っています。

















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