第37話 ロリコンきたる?
「おはようございます」
「おはようございます。神父さん」
「おはようございます」
「はい、今日も二人とも元気そうですね。よかったです」
「ありがとうございます」
「それでですね。今日は、エルヴィン君もラウラ君もお仕事は有りますか?」
「……あぁ。今日は休みだったと思います」
「はい……」
僕は手帳を開く。
「はい……。今日はお休みですね」
「それは良かった……。実はですね、ラウラ君に会いたいという方が先ほど教会までみえましてね……、」
「私にですか?」
「はい。とある大きな貴族の方です」
「貴族……?」
「伯爵家の方です。とりあえず、今日の午後、教会まで来れますか?」
「エルヴィン……、どうしよう?」
「まぁ……、行くしかないだろう……」
「ごめんなさいね。急にこんな呼び出しをして」
「いえ、神父さんはただ伝えてくださっただけですから……」
「では、本日の13:00に、教会の応接間で……、」
神父は僕たちの部屋を去って行った。
「私に用事ってなんだろう? しかも伯爵って……」
「もしかしたら、ラウラの里親になりたいとかの話かもしれないな……」
「えっ?」
「ラウラがこんな子に育ったって知って、引き取りたくなったとか……」
「えっ? いまさら?」
僕はラウラを抱きしめた。
「そうだ、今さらだよ……。もし、その貴族がラウラを引き取りたいとか言い出しても、絶対に行っちゃダメだよ? 向こうは、ラウラがこんなに可愛くなったって知ってから言いに来てるんだ。脅されても従ったらダメだよ?」
「うん…………」
「まぁ、着替えよっか?」
僕は寝起きのままの姿で神父さんの応対をしていた。
ラウラはというと、下着を何も付けないまま、ベッドサイドに掛けてあった適当なワンピースをダボッと着ていただけだった。
神父さんが帰ったあと、ラウラはワンピースを脱ぎ、また全裸になって、じぃーっと待機している。
僕は寝巻を脱いだところで、ふと気が付いた。
「ラウラ? 何を、ずーっと見てるんだ?」
ラウラは真っ裸でベッドに腰掛けたまま、僕の着替えを観察している。
「パンツは脱がないの?」
「履き替える必要あるか?」
途端、ラウラが僕に駆け寄って抱き着く。
そして、ベッドまで連れて行って押し倒してきた。
「何だ、何だ?」
そして……、
「いや……、しれっとパンツを脱がそうとするな!」
僕はせめてもの抵抗で寝返りを打ち、うつ伏せになってパンツを死守する。
すると、ラウラも僕の身体の上に乗りあがり、負けじとパンツを掴んだ。
僕の背中と、ラウラの胸やお腹の素肌が密着する。
このままじゃ、僕のパンツが伸びてしまう……。
「こらっ、ラウラ!」
「エルヴィン!」
「んんっ?」
「貴族がいきなり私に声をかけてきた理由って何だと思う?」
「……わからんっ!」
「妾にしようと思ってるんじゃないの? 貴族がわざわざ孤児院の子供に声をかけるなんておかしいよっ⁉」
「分かったから、パンツを放せっ!」
「エルヴィン……、子ども作ろ? 処女じゃなくなったら変態貴族も帰るよっ⁉」
その考えは僕にもあった。
パン屋でバイトしていた時からラウラはご近所でも噂になっていたのだ。
ロリコン貴族が興味を示してもおかしくない。
銀髪碧眼の美少女を、幼いうちから洗脳して手ごめにしようという、けしからんロリコンがいてもおかしくないのだ…………。
あれっ……?
なんだか身に覚えがあるような…………?
気のせいか?
その時だった。
「はっ⁉」
「やった! ……パンツ捕れたっ!」
振り向けば、ラウラが満面の笑みで僕のパンツを握っていた。
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