"Absolute zero" 異世界転生したら捨て子だったので同じ孤児院にいた独りボッチの銀髪美少女を洗脳して理想の幼馴染にしようと思ったら、どうやら僕が崇拝されるようになっちゃいました⁉
準急
・・・ ― ― ― ・・・
第00話(プロローグ)偏愛
まえがき
プロローグです。
詳しい物語は次回以降。こんな雰囲気で進めていきます。ヤンデレ好きな人は是非!
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何故だろう。
何故私は彼が好きなのか、問うのもおこがましい。
孤児院での、私と彼との出会いは、神が私にこの世界で与えてくださった唯一の光なのだ。
彼が居なければ、私は生きてゆけない。
彼こそが、私の唯一の希望なのだ。
彼が私に興味を持ってくれている。
これは私の唯一の救いなのだ。
どうやら私が、人間の女として魅力的だということは知っている。
彼とて人間だ。
疲れた時に、私に癒しを求めてくるのは知っている。
あぁ、抱きしめたい。
彼を抱きしめてあげたい。
私に恵まれた容姿をくださった神に感謝を。
そして、エルヴィン……。
あなたは私を好きに使っていい。
そうやって、キスをして、ハグをして、この銀の髪を指で梳く。
あぁ……、あぁぁ…………、とても幸せ…………。
あなたが私を見ているのを知っている。
その獣のような肉欲をはらんだその目で。
あなたと、よく目が合うとき。
私の胸元を舐めまわすように覗きながら、可愛いと褒めてくれるとき。
私は幸せだ。
着衣は乱れていない。
彼はだらしのない女は嫌いだ。
多分、清楚に着飾った女を犯すのが趣味なんだろう。
中庭で彼のことを想いながら、ぼうっとしているだけなのに、羽虫が寄ってくる。
四方の物陰から、複数の視線を感じた。
どうやら私はただ立っているだけでも人を、特に男を集める様だ。
鬱陶しい、全員氷漬けにして粉々に砕いてやろうか。
私は天を仰ぎ、恍惚としてつぶやく。
「あぁ、エルヴィンに私を食べてほしい…………」
もちろん、寝台の上で私の肌を貪る彼を想像するだけで体が熱くなる。
だが、彼が、ムシャムシャ、バリバリ、ボリボリと、私の身体を食らうところを想像するのも、恐怖と共に満足感を覚える。
別に人肉食を勧めているのではない。
彼と一つになりたいのだ。
抱き合ってもまだ溶け合わないくらい、彼と一つになりたいのだ。
彼の血肉となりたいのだ。
ふと視界の端に、少年の背中をとらえる。
見逃しはしない。
彼だ。
私は急ぎ足で彼を追う。
背後2メートルほどまで近づいたところで彼が振り向いた。
彼の魔法だ。
誰も彼の背後は取れない。
私が彼の胸に飛びこんで抱き着けば、彼は優しい笑顔を見せてくれた。
彼はいつも私を守り、慈しんでいる。
私は彼に大切にされている。
彼は私を全て肯定してくれる。
私も彼を癒せていると思えば、私は自分を肯定できる。
私はこの世界に産まれた。
何故だろう。
私は今、この世界に生きている。
何故だろう。
私は彼に、私と言うこの存在を届けている。
彼の役に立てている私には価値がある。
なら……、私はまだこの世界で生きていたい。
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あとがき
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