第33話 再会と常世
「……あのさぁ……」
「なんで
呼ばれて、ライは静かに答える。
【そうだな、タツマとの契約自体は切れていないようだが……随分とここに
「それ答えになってないんですけどぉ!?」
そんな会話をしていた時だった。一陣の風が吹く。
「うわぁぁぁぁ!? な、なになになになに!?」
叫ぶ
「お前は!
困惑する志修那とライを交互に見つめながら、
「全ての妖魔が今宵死ぬだろう。だから問おう。そこの男、
自分が問われているのだと気づいた
「ぼ、僕……は……」
「お前からはかすかに、妖魔の気配がする。しかも人為的な、な?」
そう追求され、
「僕の、中には……人造式神がいる。別人格として、活動している……よ。だけど……それだったらなんだって言うのさ?」
「……そうだな、戦う理由の一つが増えた。とだけ言おうか」
「……結局そうなるの、ね……。はぁぁ……嫌だなぁ。僕は前線向きじゃないんだよ……」
そう愚痴りながら
「
震える声で、
「……
瞳の色が変わる。雰囲気も……先程までの
「さぁ、やろうか?」
静かに告げる
二人の戦いが始まる中、ライは迷った末
****
「ここ、どこなん? ねぇ、
前を歩く十二単の綺麗な黒髪をした女性、
「ここは、常世と現世の狭間の世界でございます。死者と生者が交わることのできる唯一の世界とも言えるでしょう」
「なるほど。それで死者である貴女とこうして話せているというわけか」
彼女こそが、二人に助けを求めた声の主だ。
「なぁ、おれ達で本当にいいのか? おれ達は……
「この世に、そもそも完成された人間などいるのでしょうか? 皆、なにかしらの
彼女の言葉に、
「貴女達に助けを求めたのは……人の不完全さを知っているからこそ、あの方を救えるのではないかと思ったからです。どうか――お救い下さい」
祈るような声に、
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