5章160話 ミスコン
『エントリーNo.1血桜雪!』
よし、早めに終わらせたほうが気が楽だな。行くか。
舞台裏から会場に出て行って少し突き出たようになっているステージを歩いていく。
ん〜すごく見られてる……ここまで見られると恥ずかしいなぁ。とはいえ、何もしないってのも面白くないよね。
俺は一番先まで行くと一回転してドレスを振り回す。よく映画とかでドレスを着た姫がダンスでやる奴をやってみた。これ疲れるなぁ。ん?前にいた奴らが何故か赤くなってるな、さては俺の可愛さに惚れたか?
『エントリーNo.2法条綾!』
俺と交代で綾が出っぱってるステージを歩いていく。俺は背が小さいしそこまで出るとか出てないから子供っぽさが出るけど綾はヤバいの一言だな。化粧をしたら俺ですら一瞬見張れたからな。え?胸は見たのかって?HAHAHA
綾は一番奥まで行くと正面の観客に身を乗り出して手を振っていた。まぁ、正面にいた奴らは山岳を見てた。綾はそのあと戻って行った。
『エントリーNo.3符堂澪!』
澪はステージを歩いて行くけどキョロキョロしながら奥まで行く。おそらく司を探してるんだろうな。お、見つけたみたいだ。司に手を振る澪は司も自分を見ていることに気がつくとカーテシーをした後俺がやったように一回転して戻ってきた。
『エントリーNo.4銀嶺千奈!』
今度は千奈ちゃんか。千奈ちゃんは綺麗とか美しいってよりは可愛いだな。意外だったのは千奈ちゃんが黒いドレスを着ていたことだな。
てっきり黒いドレスはマナスが着るのかと思ってた。マナスと千奈ちゃんのドレスは色以外は同じだからどちらを着ても良いんだけど黒だとより千奈ちゃんが際立つなぁ。
千奈ちゃんは早走りで観客に手を振りながら一番奥まで行くと可愛らしい笑顔でピースサインをしていた。きっと何人かの人はその可愛さにやられただろう。
『エントリーNo.5銀嶺マナ!』
マナスは千奈ちゃんと違い普通に歩いて行って一番奥まで行った。ファンサービスと言ってもカーテシーをするくらいだった。ただ、その落ち着いた様子と自然な所作に美しさを感じた。外見や服装がほぼ同じ千奈ちゃんが先だったこともあってかよりその印象は強く感じる。
『エントリーNo.6銀嶺怜!』
怜は気品すら感じる雰囲気で奥まで歩いて行くが、流石怜。最近は主席の高嶺の花と言うよりは色々抜けてる美少女という印象に変化していた怜はドレスのスカートを踏んでしまい倒れそうになる。なんとか転びはしなかったが能力はどうしたと言わんばかりのドジっぷりだ。つんのめったのを隠そうとその場で回転して誤魔化してるけど顔真っ赤だぞー?
これで俺たちは全員終わったわけなのだが、あと一人一年では出場者がいるらしい。
『エントリーNo.7鬼灯蒐』
はいぃ!?え、鬼灯ってあの鬼灯?ナニヤッテンノォ!?あの人男でしょ!どう盛ったのか知らないけどしっかり胸もあるし。確かに線は華奢だし、一見女に見える、いや女にしか見えない。貴公子だとか言われてるけど女装すると女子にしか見えないぞ。
しかも、それは鬼灯を知る人も同じようで。男だと知りながらも目の前のどう見ても女にしか見えない鬼灯さんに頭をバグらされている様子だった。一番タチが悪いのは動きも所作も顔すら女に見えることだ。本人は赤面すらしないで全力で演じてるせいでより本物っぽく見える。
『以上が一年の出場者だ!!それじゃ投票タイムだ、あらかじめ配られた投票用紙に番号を書いてこの箱に入れてくれ!』
投票が開始されて俺たちは少しの間休憩となった。
「鬼灯さん、何やってるんですか!?」
「いやぁ、あはは。お化け屋敷で行きたい所があるって女の子の役を代わりにやってたらいきなりスカウトされてね……自分でもなんでここにいるのかわからないよ。』
その割にまんざらでもなさそうなのはなんでなんだよ……確実に性癖歪んだやついるだろ。
鬼灯さんと話していると投票がが終わって集会が出たらしい。
『一年部門グランプリは…………法条綾!おめでとう!!』
「えっ私!?やったー!」
うん、順当な結果な気がする。ドレスと綾のコンビネーションは反則だもんな。どう考えても雪崩寸前の山岳で票を入れた奴が多い気がする。
『さて、他の出場者の票数も公開だー!』
ディスプレイには名前と票数がランキング形式で表示され、2位は俺。3位の鬼灯さんで結構僅差だった。怜たちは票は入ってるもののいまいち伸びなかったようだ。
『さぁお次は2年部門だ!』
2年部門ではまさかの化紺先輩が出場していいた。耳だけキツネにしてドレスと相まって可愛いの一言に尽きる。黄金色の耳が黒いドレスのお陰で映える印象を感じた。多分、衣手先輩が用意したんだろうな。
その後もミスコンは続き、四日目が終了した。
あとがき
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