5章145話 聖火祭開幕

『諸君、今年は事件などもあり準備なども大変だったことだろう。だが、みな熱意をもって準備をしてくれたことで例年通り開催できることをうれしく思う。さて、堅苦しい挨拶は此処までとしよう。第100回聖火祭を開催する!!騒ぎ楽しみ満喫せよ!』


 事件から急ピッチで準備した俺たちは何とか出し物を前日に完成することができた。そして今日、聖火祭の開幕式を見ていたのだが―———理事長なぜ脱ぐ・・・・!?そして下になぜアロハシャツを着てるんだ!?


「またかぁー」

「今年は赤だ」

「よっし、賭けは俺の勝ちだな!」


 上級生の反応からも毎年やってることが分かった。いつもの堅苦しい先生はどこに行った。あれか?色々やらかす人たちから解放された反動なのか?


「雪は早めに戻って着替えて来いよ。最初のインパクトが重要だからな、最初からうちの主力メイドで行くんだから。」

「へいへい、皆行こうか。」


 俺たちは先に教室に戻ってメイド服に着替える。普段より露出の多い服装に羞恥と緊張で顔がこわばるなぁ。コスプレだと思えばそれまでなのだが、最近になって何故か周りの目が気になってくる。


「お母さん、緋翠かわいい?」


 緋翠が着替えた衣装を俺に見せてくる。上目づかいがまた可愛さを加速させる。


「可愛いよ!立派なメイドさんだ。頑張ろうね?」

「うん!お母さんもかわいいよ!」


 くぅっ!鼻血が出るところだった……可愛すぎるだろ俺の娘!!こんな姿男子たちが寄り付かないようにしなければ。


「お待たせ―!おお!雪ちゃんも緋翠ちゃんも可愛いね!」

「綾も可愛いよ。」


 綾がのけぞっているけどどうしたんだ?まあいいか、冷たちも来たな。


「私、司君と裏方でいいんだけど……」

「まあまあ、最初のつかみだけだから。雪、似合ってる。緋翠ちゃんもね。」

「「お待たせしましたー!」」


 うちのクラスのキレイどころが勢ぞろいすると壮観だな。そろそろ開店時間だな。


「緋翠ちゃん頑張ろうね。いっぱい売って売って優勝しよう!」

「うん!千奈お姉ちゃん。」


 千奈ちゃんが緋翠に抱き着いてる。千奈ちゃんは年下がいなかったから嬉しいのかな?お姉さん風吹かせたいとか可愛いな。

 若干、千奈ちゃんたちロリ組が集まると犯罪集がするのは気にしないことにしよう。きっと頼もしい組織怜ファンクラブが未然に防いでくれる。


『開催十分前です。各クラス準備してください。』


 始まるぞ、開幕ダッシュ戦争が!


「それじゃあ、雪ちゃん。外で客寄せお願い。私と怜ちゃん、澪は中でお客様の案内と接待。千奈ちゃんたちは持ち帰りと軽食販売をよろしく。」

「「「「「「はい!」」」」」」


 俺は教室の外に出て看板を持って廊下の先を見る。俺のクラスは廊下の一番端にあるから一方通行となる。


『聖火祭スタート!!』


 放送で開始の合図が聞こえてきた瞬間に地響きが聞こえてきた。どんどん近づいてくる!?まさか!


「綾、波がくる!!」


 聖火祭の前に出し物を宣伝するということで俺たちの写真を使ったのだがそれが予想以上に効きすぎた!!


「ここがメイド喫茶かー!!」


 ものすごい勢いで生徒が走ってくる。ただ、予想はしていたので深呼吸をして練習した案内をする。


「はーい!ここに並んでくださーい。整理番号を渡しますから落ち付いて―?」


 できるだけかわいく、そして奥まで通る声で話すことを意識する。ある程度いうことを聞かない人はいるだろうな。


『ザッ!!』


 うおっ!?みんなきれいに列になって並んだ!?やけに聞き分けがいいな……いや助かるけどさ……ん?奥の方で何か————


「なんだよ!少し横入りしただけだろ!?」

「怜様の出し物で無礼を働く輩は教育お話しないとな。」


 俺はなにもみなかった。きっと説教されてるだけだ。帰ってきた人が目をぐるぐるしてても気にしない。気にしたら深淵を見る気がする。


「はい、それでは整理番号5番までどうぞ!」


「はい、オムライスですね。オムライス二つ承りましたー!」

「クッキー一つとドーナツ……二つですね?緋翠ちゃんお願い。」

「はい!えっと……クッキーと……ドーナツ!どうぞ!!」


 おおむね順調だな。やはり怜と綾が一番人気だ、みんな綾の胸見てるし。怜の方にはファンクラブ(プラス教育された人)が来てる感じか。

 千奈ちゃんたちの笑顔で落ちてるお客もちらほらいるな。そこのお前、もう5回目だろ?


 ファンクラブが警戒しているとはいえ厄介な奴はいる。例えば————


「なあ、あの緑の子のオムライスが食べたいんだけど……」

「ふふふっ私のオムライスで我慢してくださいね?」


 俺の娘に色目使うやつは……こうだ!『ロリコンさん♪』これでいいだろ。看板にも彼女たちは給仕しないって書いてるからな。


「…………」


 もくもくと食べておいしそうにしてる。えぇ、何か言って来ると思ったんだが。なんか顔赤くして息荒いし。


「また来ますっ!!」


 くんなロリコン。というかまた並ぶんじゃねえよ、さっき食べたばっかだろ。


 まあ、それなりに楽しかった。意外とメイドも楽しいかもしれない。そうして昼になって人が少し掃けて来た頃、交代の連絡が来た。


「みんな、そろそろ交代の時間だ。澪は俺と厨房に、そのほかは自由時間だ。」


 もうそんな時間か。俺と綾は一緒に回ることにしてるから怜たちとは別れるな。どんな出し物があるかな。楽しみだなぁ!!


あとがき


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