4章82話 裸の付き合い

綾と符堂さんの模擬戦が終わる頃にはもう日が暮れて夕日が出ていた。


「全く,人の話を少しは聞きなさい?私と雪ちゃんは司くんのことは幼馴染でしかないの。司くんは緋真姉のことを片思いしてるから緋真姉がこっちに戻る前に振り向かせないと手遅れになるよ?」


「うぅ、昔から一度思い込むと話を聞かなくなるとは言われてたの、、、ごめんなさい。出来れば協力してほしい。」


「うん、まぁよくあることだから気にしてないけどさ。今のところ全く相手にされてないからまず興味を持ってもらうところから始めてみたら?」


「例えば?」


「趣味とか好きなこととか色々。それに司は結構脳筋なところがあるから戦闘に関する事でもいいかもね。」


「ありがとう、血桜さん。今まであなたのことを司くんにたかるハエのように思ってたけど考えを改めるわ。」


「ハエって」


「だって入学してからもその前もずっと魔法の下位互換とか言われてたんだもの。そんな時に司くんが褒めてくれて他の人が塵芥に見えてたのよ。今でもそう見えるけど。」


「うーん、重症だなぁ。ま,とりあえず体も汚れたしお風呂に入りながら話そうよ。相談のるから。」



そうして寮のお風呂場に向かう雪一行。その脱衣所での出来事


「今まで気にしてなかったけど凄い綺麗な肌してるのね、、!血桜さん、私にスキンケアの秘訣とか教えてくれない!?」


「私は特別なことはしてないからなぁ。」


「天然物、だと?世の中は何で不公平なんだ、、、、」


「わぁ、みんなお胸がおっきいの。マナス,私たちもあんなふうになれるかな?」


「千奈、怜姉さんがあの大きさなら希望はあるよ。頑張ろう。」


「うん!」


「微笑ましいねーーー。タイムスリップして小さい雪ちゃんとあんな会話してみたいなぁ」


「ふふ、入学してから友達なんて出来なかったけどこうしているのも楽しいのね。」


「私もです。雪達のおかげでこうして楽しく生活できてます。符堂さんも少しは人と話してみるのもいいと思います。」


「澪でいいわよ。私も嫌な言葉に耳を傾けすぎたと思ったわ。これからは友達になってもいいのかしら。」


「「「「「もちろん」」」」」


「嬉しい。よろしくね。」



そうしてお風呂場に入るために扉を開けた雪は目の前の風呂に誰か浸かっているのが見えた。


「おお,えらい別嬪さんがぎょうさん来たなぁ。眼福眼福!ん?どうしたん?入って来ないんか?」


「いや,この時間帯に人がいると思わなくて、、、それに」


「おお、そうかそうか。この耳が気になんのやな?まあ体洗ってから話しましょ。」


雪達は言われた通り体を洗い始める。


「このシャンプー最近発売されたやつじゃない?とっても高かったはずだけど、、、。」


「私は符を使って売ってるからお金はあるのよ。それにこのブランドのシャンプーが好きなの。」


「確かにいい匂いだよねー。私には高くて手が出せないけど。」


「何なら使ってみる?」


「いいの!?」


「今まで迷惑かけたお詫びってわけじゃないけどね?」


(仲直りできてよかったのかな?)


「マナスっ!目に水が入った助けてー!」


「千奈、私も目に水が入った!怜姉さん助けて!」


「全くもう、揃って目に泡入れなくても、、、」


「「速くー!」」


「「はいはい。待っててね」」


「賑やかになったなぁ。前まで1人だったんだけどなあ。」


そうして全員が風呂に入った時に何か忘れているような気がした。


「なんか忘れてるような?何だっけ?」


「ウチのことじゃないですかね?」


「のわぁ!そうだった忘れてた!」


「すまんすまん、ウチのこと忘れてるおもたら驚かしてやりとう思ってな。」


「嘘ね、体洗い始めたあたりから気配消してたもの。」


マナスが嘘を見破ってドヤ顔をした。なんとなくイラッと来たので千奈ちゃんに頼んでお湯をかけてやった。





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