4章67話 ドライアドの森3
昼休みも終わり午後の授業も何事もなく終わった雪たちは寮に向かっていた。
「まさか一週間後まで訓練場が使えないとは、、、。一年選抜の準備だっけ?」
「うん、そのせいで訓練場を使う授業だけじゃなくて部活も出来ないからね。みんな外の訓練施設に行ったりしてるみたい。」
「開催自体は一ヶ月後なんですけど会場の準備で夢幻結界の調整をするらしいわ。」
「なるほど、調整中に弄られると困るからなんだ。怜は見たことあるの?」
「それが、、一年の力の偵察をされることを危惧して外部からの見学はできないようになってるんです。」
「それまたなんで?一年より他の学年の方が偵察されると思うんだけど、、?」
「一つは前年に見た人たちよりデータがないからね。もう一つは一年がチームの弱点になる事があるからよ。」
「へぇーなるほどねぇ。」
「それで?雪今日はどうするんだ?訓練場使えないし。」
「ちょっと早いけどまた怜の家にお世話になろうかなって。怜、訓練場使っても良いかな?」
「うん!お父さんとお母さんは居ないけど大丈夫!いつでも連れてきて良いって言われてるし。」
「そういうことだからドライアドの森に行くまでの一週間お世話になろう。」
そうして雪たちは怜の家の訓練場に向かった。
◆
「うわ、広いなここ!学校と変わんねぇな!怜はこんなところで訓練してたのか。通りで誰も訓練してる様子を見たことないわけだ。雪、少しは強くなったんだろ?模擬戦しようぜ?」
「良いよ、私も司とやってみたかったんだ。怜!夢幻結界使える?」
「問題ないわ。起動するわね。」
すると半円のドームが訓練場を包んでいく。
「さて、【龍鱗】そっちも変身しようぜ?たまには鬼でやってみろよ。」
「言われなくても!【鬼化】遠慮なしだよな?」
「当然!いくぞ!」
「こい!」
数度打ち合ったあと
「やっぱりこのままだと千日手だな、そろそろ体あったまったか?」
「そっちこそ、しばらく会わないうちに鈍ってないよな?」
そして2人同時に本気を出す。
「【完全龍鱗】《フルスケイル》」
「【爪鬼化】【衣領樹】」
全身に龍鱗を纏った司と鬼化した雪がぶつかり合う。
「硬っ!爪折れそう!全身この硬さなの!?」
「そっちこそ!油断したら切られそうだ!それにこの紋一体なんだ?」
「フッフッフよくぞ聞いてくれました!【罪状選定】硬度!くらえ!」
「はっ!また弾いてやるよ!ってえぇ!?切られた!?」
「【衣領樹】は指定した行動をとったものから魔力を奪える。ちょうど硬度を上げた分魔力を取られたみたいだな?」
「クッソ、吸血といいこれといい搦手が厄介な方向に伸びてやがる!だか説明したおかげで突破口が見えたぜ?」
司の鱗が光だした。するとなんと紋章が消えていった。
「はあ?何したんだ?普通消えないんだけど。」
「紋章を維持してる雪の魔力と鱗複数枚の魔力をぶつけて相殺させたんだよ。一つじゃ無理でも複数枚で乱雑に動かした魔力ならいけると思ってな。」
「、、、流石鱗一枚ずつに魔力を通してるやつはする事が違うな?」
「褒めてくれてありがとう、だが今のでかなり魔力を使っちまった。それに闘ってる間に解除するには時間がかかりすぎるな。」
「接近してその暇無くせば何とかなりそうだな。よし、このくらいにしとくか!」
「だな、これ以上は泥沼化しそうだ。」
「かっこよかったよ2人とも!今度は私とやろう!」
「いや、ちょっと休ませてよ?」
「そうだぞ綾、魔力も体力も回復するって言っても精神的疲れが、、、っておい!なに起動してんだ!」
「いっくよー!【火球】!」
「ダメだ話聞いてねぇ!雪!あれ決めてこい!」
「分かった!」
俺はすぐに綾の元まで近づいて衣領樹を使う。
「ふにゃあ〜」
もちろん選定したのは魔力消費だ。
「よし、よくやった雪。これに懲りたら休憩挟んでからやるんだぞ?綾、反省したか?」
「はーい。それにしても酷いよぉ。何も魔力切れまでしなくても。」
「いや、そうでもしないと俺たち全員巻き込むつもりだったろ。」
「てへ?」
「「てへじゃない!」」
「あの三人本当に仲がいいんだね、、、」
「怜姉もあの中に行かないと!ほら行くよ!」
「あ、ちょ、ちょっと!引っ張らないでぇ!」
こうして一週間銀嶺邸で訓練することに決まったのだった。
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