3章59話 銀嶺家訪問
昨日約束した通り寮の前で待つ雪と綾はこれから行く銀嶺家について話していた。
「どんな人たちなんだろうね?たしかお父さんが秋さんの同僚って言ってたけど・・・」
「あの怜の家族だから優しくてキリッとしていそう。昨日は結構キャラが壊れてた気がするけど・・・」
「あれが本来の怜ちゃんなのかもしれないね。あ、来たみたいだよ!おーい!こっちこっち!」
怜が綾の声に気が付いて近づいてくる。
「おはよう、雪さん、綾さん。今日はありがとう。私の家族がお礼をしたいといったばかりに大切な休日を使わせてもらっちゃて。
「ううん、気にしないで!私も雪ちゃんも怜ちゃんの家族に会いたいと思ってたの!妹さんの元気になった姿を見たいからね!」
「綾の言う通り妹さんの元気な姿を見れたら頑張った甲斐があると思えるし、それに父さんがお世話人遇ってるなら挨拶しないとね?」
「そう言ってくれると助かるわ。立ち話もなんだし私の家に向かいましょう。家はこの近くだから歩いていきましょ。」
そうして雪たちは怜の案内で10分ほど歩くと何やらでかい日本屋敷が現れた。
「えっとまさか怜の家ってここ・・・?」
「ええ、ここが私の家よ。ちょっとでかすぎるわよね?昔ここの地主だったらしくてその名残でこんな広いの。さぁ、中に入りましょう。」
「綾行くよー!・・・綾?おーい大丈夫か?」
「え!?あ、だ、大丈夫ちょっとでかすぎてびっくりしてただけ!」
そのあと怜に案内されて広すぎる屋敷を歩いていくと客間に通された。
「ごめんなさい、少し家族を呼んでくるのでここで待っててください。」
少し客間で待っていると外から数人歩いてくる音がする。
「二人とも待たせてごめんなさい。家族の紹介をさせてね。まずこの人が私の父・・・ぎ」
「ええええええ!?あのときのおじさん!?怜のお父さんだったの!?」
「雪ちゃん怜ちゃんのお父さんと会ったことあったの?」
「いや、怜のお父さんとは知らなかったよ・・・入学する前に、あ、女になったあとね?ディスティニーランドに家族で行ったんだけどその時会ったんだ。
「何やってるんですか父さん・・・」
「あーすまん。働いてたら部下が『休んでください。あなたが休まないと私が休めません。』といわれてしまってな。んで気晴らしに行ったら会ったんだよ。少し話がずれたが【銀嶺 凍也】だ。まず怜と千奈の呪いを解いてくれたこと本当にありがとう!もうエリクサーくらいしか解決法が見つからなかったんだ。」
「いえ、本当にたまたまですし助けられてよかったです。こちらこそ父がお世話になってます。」
「まさか秋の娘さんに助けてもらえるなんて俺もびっくりしたよ。実はディスティニーランドで秋と会ってたんだがまさかの怜を助けてくれた人の一人があの時会った子と怜から名前を聞いたとき気が付いて驚いたよ!」
「私も今驚きましたよ・・・・えっとそれで」
「おっとすまんすまん、こっちが怜の妹の
「【銀嶺 千奈】です!お姉ちゃんと私を助けてくれてありがとうございました!」
『【マナス】です。マスターを助けてくれてありがとうございます!」
雪は隣にいる双子が気になったため名前を聞いたところ白髪に黒目の少女が怜の妹らしい、、のだがならその隣にいるマナスと名乗った千奈そっくりの子はだれなのだろうか?
千奈はそれを察したのかさらに説明を続けた。
「マナスは私が能力で作り出した存在なんです。」
「能力で?そんな能力聞いたことないな・・・」
「お父さん、雪さんに私の能力を教えてもいい?雪さんなら教えてもいいと思う。」
「おう、いいぞ!秋の娘とその友達なら話しても問題ないだろう。」
「あの自分が言うのもあれですけど教えてもいいんですか?雪ちゃんはともかく私は素性の知れないただの友達ですよ?」
「秋の娘の友達なら問題ねえ!と言いたいんだが違くてな?怜に今日来る子の名前を聞いた時、君の名前を聞いてまた驚いたんだよ。さっき部下に怒られた話をしたがあれ、君のお母さんに言われたのさ。」
「え、そうなんですか!?すいません母がそんなこと。」
「いい、いい。働きすぎだったのは確かだからな。それに君は何回かここにきてるしな。」
「やっぱりそうなんですね・・・なぜか見覚えがあるような気がしたんです。小さいころ母が連れてきていたんですね?」
「おう、だから問題ないぞ。」
「じゃあ教えるね。私の能力【空想具現】と【模倣】でマナスを作ったんだ。」
「空想具現ってどういう能力なの?模倣はなんとなくわかるんだけど。」
「空想具現は私の想像を具現化する能力なの。それで私を模倣してできたのがマナスなの。」
「え、人も想像できるの!?ずっと出せていられるの?」
「マナスは私の多重人格みたいなものだからマナス自身の魔力もあるの。一応しまうこともできるけどその時は出すときに魔力をかなり持っていかれるけどね。無人島で長い時間遭難してると何かを人に見立てて話したりするでしょ?あれみたいなものよ。」
『マスターの人格をもとにしてはいますけど長い時間のおかげで私自身の人格とマスターの人格はほぼ別物といいです。』
「それに呪いも近くにあったせいで少しマナスにもその影響があってね。呪いの魔力を奪う力をマナスは持っているの。」
『要するに私はマスターの予備バッテリーということです。もちろん私も攻撃できますけど。』
「ええ、強すぎでは?何か制限とかないの?」
「一応具現化するときはそれに応じた魔力を持ていかれるけどマナスがいるから大して問題はないの。あるとしたら攻撃手段がないことかな?」
「だとしても強力すぎるな・・・。模倣は?なんとなく真似をするって感じ度と思うんだけど?」
「模倣に関しては簡単で真似をするだけです。今のところ空想具現の補助でしかないですね。」
「相手の能力を模倣したりとかは?」
「試してみたんですけど私と適性が違う能力、それと変異系能力は無理でした。一応使えた能力もあるんですけど本来の能力より劣化してしかも魔力消費が上がってるみたいなんです。なので魔道具みたいなものですね。」
「なるほどね。そこまでできるだけでもすごいけどそれ以上できるようになったらやばそうだ。」
そのあとは学校での話や各々の家族の話などをして時間が過ぎていった。
そして、聞かれるであろう質問が来る。
「さて、ここまでは父親として知りたいことなんだが少し魔防隊としての立場からも質問してもいいかな?怜の魂の世界でなにがあったのか。」
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