3章46話 部活見学2

魔道具学が終わった後昼食を終えた俺たちは午後の授業が始まるのを待っていた。


「次の授業何だっけ?」


「錬金学だよ、雪ちゃん。」


「錬金学って言うと瀬奈姉の言っていた錬金術?」


「うん、そうだよ。ただ先生が独特だからなぁ。ビックリするかも。」


「独特?それってどういう・・・」


するとドアが開いて先生が入ってくる?しかし、全く姿が見えないと思っているとゆっくり入ってきた。


「錬金学始めるよ・・・」


白衣を着た瀬奈姉と同じくらいの歳の女性でかなり美形な方だと思ったのだがある一点だけ勿体無いところがあった。


「いや、目に隈出来過ぎだろ。どんだけ寝てないんだ?」


「【壺井先生】は授業がない日はずっと錬金術の研究をしているから寝てないの。しかも自分で作った薬で無理矢理起きてるから隈が消えないの。」


「えぇ・・・」


「それじゃあ錬金学始めるよ・・・その前に一杯・・・!ぷはぁ!」


「なんか飲んだけどアレが?」


「うん、アレひとつで3日は寝なくていいらしいの。疲労すら吹っ飛ばすらしいからテスト前の学生がこぞって買いにくる人気商品だよ!」


「なんか寿命縮みそうだから私はいいや・・・」


「さて!錬金学だがいくつか分野がある。答えられる人いるか?」


「はい!合成学、錬金薬学、増幅錬金学です。」


「うん、いい線言ってる!その他にも多々あるが今言ってくれた3つが主軸の学問だ。今回は午前が魔道具学だったから増幅錬金学を教えていくぞ。」


「増幅?ってどういう意味なんですか?」


増幅とついているがどういう意味なのかわからずつい気になって聞いてみる。


「いい質問だ!増幅錬金学とは文字通り何かを増幅させたり複製を作ったりする学問だ。午前で派生属性の魔晶石の作り方で足りない魔力を増やすと聞いたろ?それはこの学問だ。」


「まあ、百聞は一見にしかずだ、今から実践して見せよう。このマットは簡易錬成陣と言って簡単な錬金術ならこれで出来る。そしてこれが【マギストーン生成装置】だ。簡易型だがな。通常これには5人ほど集まって魔力を込めねば生成出来ないのだがこの【魔力増幅石】を使うとだな、5倍にすることができる。と言っても能力として魔力を増幅できるわけではないから期待するなよ!少しでも増幅した魔力が体から離れると増幅した魔力が元に戻るからな。【マギストーン生成装置】にゼロ距離で込めるくらいにしか使えん。」


そう言って先生は最初に魔力を使わずにやるため4人ほど生徒を呼んで魔力を込め始めた。すると装置の中に光が出来始めて小さな石ができた。


「これがマギストーンだ。今5人の魔力で作ったが今と同じ量の魔力で私一人が作る。魔力増幅石を使ってな。」


そう言うと先生は宝石のようにカッティングされた石を手に持ち魔がストーンを作り始める。すると先程と同じくらいの魔力が増幅石に送り込まれるとその魔力が増大するのを感じた。


「こうして、魔力を増大させることによって派生属性の不足を解消するわけだが普段は手に持ってなど行わないからな?魔力タンクに魔力を込めてもらいタンクにこれを接続して増大させるのが通常だ。」


そうして細々とした錬金学の理論を習っていると授業終了の鐘がなった。


「よし、今日はここまで!もし興味が出てきたら錬金術研究会まで来てくれ。魔道具研究会の隣であそことも色々協力してるから兼部しても良いぞ。」


そう言って帰って行った。


「錬金学か、ちょっと行ってみたいな。私の血を使って吸血のデメリット無くせるかも。」


そうしてまた、行くところが増えたのだった。


「やっと放課後だよ!雪ちゃんどこから部活見学行く?やっぱり司くんのところから?」


「そうするつもり、魔道具研究会と錬金術研究会はなんか長くなりそうだから。」


「なるほどね、ってほんとに行くの!?え〜行きたくないなぁ。」


「綾のことは置いておくとして雪、着替えとかあるか?動きやすいやつ。」


「?一応マナスパイダーの戦闘用服ならあるけど?なぜ今?」


「いや、今日は他の奴らが戦術戦闘をする日だからな。見学しにきたと言うと部長のことだから参加してくか?と言い出しかねない。」


「なるほど、まあ参加できるならしてみたい気はする。一応持っていくよ。」


「よし。じゃあ行くか部活見学!」


「「おおー!」」


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