3章45話 部活見学1

雪が若干暴走して後気まずそうにしながらも何事もなく寮に戻った。

雪は少し凹んだが。


ー次の日ー


「おはよう、司くん!今日部活を雪ちゃんに案内したいんだけど時間ある?」


「あるぞ、戦術戦闘部は実戦した後は2日は休みになるからな。」


「良かったー!でもそっか司くんの部活観に行こうと思ったんだけどな。休みかー。」


「いや?戦闘したやつだけだから議論とかはしてると思うぞ?それにやりすぎた日用に休みに設定されているだけで動けるやつは部活に来るぞ。ほぼ趣味みたいなものだからな。」


「司もそうなのか?あんまり放課後は一緒にいないから分からないんだけど。」


「俺はどっちかっていうと戦っている中で考えるタイプだから司令塔ってガラじゃない。だから司令塔の意図を読み取るくらいだなぁ。そういうわけで休みになった日まで行くことはそうないよ、大敗とかしなければ。」


そう言った話を3人がしていると

「うふふ、ならウチも来ない?ちょぉど部員もいることだしぃ?」


後ろから妖艶な声がした。振り返ると目の前が真っ暗になる。


「〜〜〜!?なんだ!?前が見えない!しかもなんか柔らかい!」


「ぁん、あんまり触られると抱き締めたくなるじゃない!うちの子になる?」


「セナ姉!雪ちゃんから離れて!!大丈夫?雪ちゃん?」


「窒息するかと思った、、、綾知り合い?」


明らかに綾が呼び捨てにしており知り合いなのはわかったのだが。


「雪ちゃんは会ったことないと思う、私の従兄弟でここの教員の【法条 瀬奈】。気をつけて紅さんと同じタイプだよ。しかも抱きついてくるから最悪胸に殺されるの!、、、、私だって抱き締めたいのに」


何やら綾がぶつぶつ言い始めたが気にすると良くなさそうなのでスルーする。


「取り敢えず戦術戦闘部を見学したあと魔道具研究会にお邪魔しますね。ところでえーと」


「法条だと紛らわしいからセナ先生でいいわ。あ、セナ姉でもいいわよ?いやむしろそう呼んで?ね?」


服をすすめてくる母さんと同じ圧で迫る瀬奈。これには勝てないと悟った雪は


「わかりました、瀬奈姉。で、どうしてここに?」


「もちろん授業よ。ただ早く来すぎて暇だったからあなたたちに話しかけたの。ほら、そろそろ時間みたいだから準備して?」


そうして、瀬奈姉の授業が始まった。

「魔道具学始めるわぁー。多分みんな魔道具が何か知ってるとは思うけど復習のために、そうね、そこの君。魔道具はどう言うものか説明してみて?」


「はい、魔道具は物体に刻印をすることで魔力を通すと魔法が発動するものの総称です。」


「うん!100点満点ね。その通りよぉ。魔力で魔法陣を刻印してそれに魔力を流すことで発動するわぁ。特に符堂さんはわかってると思うわ。陰陽道に使われる符は魔道具の製作原理と同じだから。」


「はい、戦闘する時はあまり使いませんがその場に特定の効果を発揮させたい時などは符を使います。これの利点は魔力を通すだけなので複数発動を一人で簡単にできる点です。能力で複数のことをするより楽になります。」


「そうね、まさにそこが魔道具の最大の利点ね。でも欠点もあるわ、それは出力の問題。大体の魔道具にはリミッターが設けられていてそれ以上にはリミッターを外さないといけないの。何で出力を制限するのかと言うと魔法陣が消えてしまうからね。許容量を超える魔力を込めると魔法陣が壊れて使い物にならなくなるの。」


なら、綾がやらかした部室アルマゲドンはヤバイのでは?


「まあ、魔法陣が壊れることはそうそうないし、その前に魔晶石が壊れるわ。魔晶石に通した魔力を貯めてから魔法陣に行くって方式が一般的なのよ。属性を変化させるためにね。」


(属性というとあれか?確か魔晶石に魔力をぶち込んで属性石にするって言う。でも必要なのか?それ)


「多分、必要なのか?それと考えたと思うわ。でも理由があるの」

(ばれてるー!?)

「人によって得意な属性ってものがあるの、それが適性として知られているわ。みんなも小さい頃能力発現前に水晶に触れて測ったでしょ?」


(水晶?あ、アレか!母さんが持ってきた魔力を込めたら光るだけのやつ!)


「それによって魔力にも得意不得意な魔法陣があるのよ。火属性が得意な魔力が水属性やら派生の氷属性だと無駄な魔力を使っちゃうのよ。だから、魔晶石で変換させるの。」


「なるほどな、でもそういう属性石って作れる人限られるんじゃないのか?」


「よく気がついたわね?そう、基本の属性【火、水、土、風、無、光、闇】この7つはいるけどその派生となると数が少なくなるわ。特に聖属性と虚数属性はかなり少ないわ。それを補うために生まれたのが錬金学ね。あの学問は同じものを生み出したり合成することに特化してるから【マギストーン】なんかはいい例ね。聖属性の魔力を少し拝借してそれを倍増させるなんて技術もあるわ。」


少し魔道具学に興味が出てきたところでチャイムがなる。

「もし興味が湧いたら放課後に魔道具研究会に来てね?待ってるわぁー。」

そうして新たに行き先が増えて午前は終わった。

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