2章23話 女子寮

「まず、符堂からだな。相手の能力を見極め土属性で攻めたことは良かった。魔力切れを狙ったことも悪くなかった。が少し油断が過ぎたな。吸血という未知の能力への警戒が足りてなかった。また、突破力のある敵に対しての対処がまだ甘いな。以上だ。」


 なるほど、こういうふうに生徒の課題を客観的に教えてくれるのかと符堂さんの評価を聞いていた。


「次に血桜。最初は攻め手にかけて魔力切れを起こしかけたな。アレは最後の決め手のための布石か?そうでないなら早めに他の手段に切り替えたほうがいい。ただ最後の突進は良かった。相手の意表をつくいい攻撃だった。以上だ。」


 おそらく俺の能力は気付く人は魔力を吸い取るとわかるだろうし、そうでない人は最後ギリギリ魔力を使ったと思うだろう。


「では他のものは能力向上に向けて訓練開始だ!符堂と血桜は魔力が回復次第参加してくれ。血桜は放出型と特殊型と聞いている。法条と知り合いらしいから回復したらそっちに混ざれ。」


 そう言うと先生は司とおそらく変異型の生徒たちの方に向かった。

 隣にいた符堂さんに目を向けると座禅を組んで瞑想している。


「何してるの?」


「瞑想して、魔力回復を早めてるのよ。そんなことも知らないの?、、そんなことも知らない奴に負けるなんて・・・・」


 意外と教えてくれる符堂さんに根はいい人なんだなと思った俺は隣で瞑想することにした。

 そのあと魔力操作や遠距離攻撃の練習などをして一限と二限が終わった。午後は能力の分類や原理などの座学だったが能力を得るために調べ尽くした俺にとって楽勝だった。

 そんなわけで今は綾と司と一緒に寮に向かっているところだ。


「なるほどねー秋さんの能力も使えるようになったんだ。」


「確か変異型だったよな、どうするんだ?これから何回かこっち来るのか?」


 帰り道でおれの鬼の能力について話していた。


「いや、鬼の練習は父さんとしっかりやったから大きな休みに父さんに稽古つけてもらう予定。あと門は開けるなって言われてたんだけど新しい扉のことだったんだな。」


 そんな話をしていると司が綾とは別の道に歩いていく。


「そろそろ俺はこっちだから、また明日な!」


「あ、あっちなのか私もついてこ。」


と司について行こうとすると後ろから腕を掴まれた。


「雪君?あなたはこっちよ。ついてきなさい。」


 綾の手が万力みたいに離れない!?女子寮にいったらもう戻れないとこまで行ってしまう確信があるっ


「いやだ!女子寮なんて行きたくない!私は男なんだー!」


「観念しなさい!私の部屋同居人いなくて寂しかったんだから、雪くんが来てくれて嬉しい!よろしくね」


 引きずられること数分女子寮というには豪邸のような建物に着いた。


「ようこそ!女子寮へ寮母さんに会いに行きましょう♪」


「もう、どうなでもなれ・・・」


 綾の押しに負けて大人しくついていくと子供が料理をしていた。子供が寮で料理を作ってる……


「綾、この子は?」


「あ、きょうちゃーんこの子が新しく入る転校生だよ!」


 京ちゃんと呼ばれた女の子がこっちに来る。すてすてと音がなるみたいにこっちにやってきた。


「この子が新しく寮に入る子か。寮母の【家入 京】です。テキトーに京ちゃんって呼んでね。部屋なんだけど法条さんと同部屋でいいかな?空いてるのがそこしか無いんだ。」


 うえぇ!?この子、いやこの人が寮母さん!?朱音より小さいんだが。まぁそういう人もいるのか。というか綾との同室かぁ、まぁ別に何も思わないからいいか。


「血桜 雪です。よろしくお願いします。だい

「問題ないです!雪ちゃんとは幼馴染ですから!」


 答えようとしたら勝手に綾が答えてしまった。いや、部屋がないんだったらしょうがないんだけどさ。


「じゃあ、案内は法条さんに任せようかな?お風呂は11時までは入れるから利用してね。」


 俺たちは綾の部屋である501室に向かっていた。

 しかし、外から見た大きさと歩いている距離がどうにも合わない。そのことを聞いてみる。


「ああ、この寮と部屋には空間拡張の魔道具が使われているからね。外から見た大きさの3倍はあるんじゃないかな。」


 そんなすごい魔道具があるのか!便利だな。でもあまり聞かないから高いんだろうな。男子寮もそんな感じなのかな。


そんな凄い魔道具があるのかと感心していると


「着いたよ!私の、いや私たちの部屋だよ!」


そうして部屋に入るとかなり広めの部屋が広がっていた。




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