2章21話 自己紹介
「買い物に行ったらワイバーンに襲われて紅さんが毒にやられて吸い出そうとしたら飲んじゃって起きたら女になってたって、ぷはっあはははは!どこの小説の話だよそれ!面白いことしてんなぁ!」
司が笑い転げてる。こんなに笑ってるのは久しぶりに見るかもしれない。それにしても笑いすぎじゃないか?幼馴染が死にそうになって女になって帰ってきたんだぞ?
「面白くないって。母さん死にかけたし私もいきなりこんな体になって大変なんだから。」
「あれ?雪君一人称が私になってるけど体に合わせて直したの?」
綾が俺の一人称に気がついた。ま、明らかにおかしいからな。
「いや、勝手に変換されてる。どうやって言おうと一人称として言うと私になる。単語としてなら言えるんだけど。」
「まあ、そのおかげでここに来られたんだしよかったじゃないか。」
「それで?能力はどんなの?」
「それは一限の時見せるよ。そろそろ行こう!案内してくれ。」
綾たちに案内され第一訓練場に着いた俺は何か敵対心のようなモノを感じた。
(なんだろう見られてるのとはまた違う視線を感じる。けど懐かしい気もする。)
「さて、それじゃあ一限を開始するぞ。出席番号順に能力と名前、あとは自由に紹介しろ。あ、血桜は最後な。」
ただでさえ見られて緊張するのに取りなんて!最悪だ!くそ、司のやつニヤニヤしやがって!
そうしてクラスのみんなが自己紹介する中1人だけ気になった人がいた。
「私は【符堂 澪】能力は陰陽道 よろしく。」
すごく短いなと思っていると後ろに下がるために隣を通るとき小さく「あなたなんかに負けないんだから」と言っていた気がする。
「私何かしたかな?どう思う?綾。」
何か知ってそうな綾に聞くと呆れたようにおしえてくれる。
「いや、ほら司くんって外面は良いじゃない?だからあの子司くんに惚れてるの。今までは私に敵対心向けてたけど今度は雪君が来て司くんが楽しそうにし始めたから恋敵とか思われてるかもね。」
なんて傍迷惑なイケメンなんだあの野郎とか思っていると、
「最後だ、血桜前に来てくれ。自己紹介頼む。」
と先生から呼ばれたため前に出る。
「血桜 雪です。能力は吸血と血液操作です。一つだけ技を出しますね。」
符堂さん以外みんな技を一つ実演してたのでよく使っている技を一つ出すことにした。
「【血刀・血桜】こうやって血液を操作できます。色々と学校のことを教えてください!よろしくお願いします。」
「よし、これで全員の紹介が終わったな。これから30分休憩やるから自由にして良いぞ。ただし、戦うのはなしだ。」
先生は端の方で休んでいたので司たちと能力について話すことにした。
「とりあえず綾と司の能力はよく知ってるから新しく出来るようになったことをおしえてくれ。」
「そうだな、俺は足にも龍の鱗を纏えるようになったことくらいか。綾は
「なんで私のことまで言おうとしてるの!?私が言うんだから!私は特殊効果付与が出来るようになったよ。」
特殊効果付与?なにそれ。
「雪君門は覚えてるよね?能力に覚醒したあと開門術式に乗ると能力の新しい扉を開くことができるの。
新しい扉とは何なのか。能力というのは門を通じて得る。門とは魂のリミッターであり関門。身体が耐えられると判断した時新しい扉を開くことで能力にさらなる力が生まれるのである。というわけなんだよ!」
「教科書完全コピペ止めろや。」
何かの文を読んでいるように喋る綾に突っ込む司。あまり見ない光景だった。いつもは俺がやらかして司が諌め綾が慰めるのが定番だったから。
「なるほどね、で?どんなことができるようになったの?まさか魔法が爆発するとかじゃないよね?」
「いつまでもあの事件を引きずるんじゃない!もう水球は暴発しないよ!あったかくできるようになったの!」
「ショボいなぁ、もっと氷とか出さないの?」
「ショボいとか言うな!温かくできたってことは火魔法が使えるようになるってことなんだから!」
ドユコト?
「雪は勘違いしてるかもしれないが魔法使いは何でも出せるわけじゃなくてその人の1番適性のある属性が最初に使えるんだ。そこから扉を開けてって属性を増やして付与して複合してと言う具合になるんだ。温かくなるのは火属性の片鱗と言うわけだ。」
(あ、だから水球ばかり使ってたのか。)
長年疑問に思っていたことがわかりスッキリした。が、司の次の言葉で爆笑するしかなかった。
「調子乗って温度上げようとして水球また爆発させたけどなコイツ」
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