1章19話 能力発動4

「とりあえず【鬼化】解除しようか。」


 いや戻りかた分からないし、戻れないんだけどという目をして見ていると父さんが教えてくれた。


「元の姿を意識して体の中に魔力を戻すイメージでやってごらん?今はツノだけじゃなくて髪と眼も変わってるから気をつけて。」


「えっツノだけじゃなくて髪と眼もかわってるの!?」


 俺は自分の頭を触る。確かにツノが生えてる。それに視界に写ってる髪の毛が懐かしい黒だった。


「うん、僕と同じ黒髪に金眼だね。おそらく雪が女の子になった理屈と同じだよ。身体が鬼の力に合わせたんだ。」


 そう何度も身体が変化してると自分の体がびっくり箱に思えてくる。まぁ女になってる時点で慣れたからいいけど。

 銀髪に赤眼をイメージして魔力を戻すか。やってみよう。


 すると、少しずつ鬼の要素が減っていつもの銀髪赤眼の少女に戻った。


「出来たら男に戻りたかったんだけどな。」


「しょうがないよ、さっきも言ったけど雪の本質がもう変わっちゃったから。」


「よし、じゃあまた鬼化して練習するの?」


「いや紅さんがきたら今日は帰るつもり。変異型は変化する時以外魔力を使わないけど代わりに体力を削るからね。今度【鬼化】すると倒れるよ。」


「そうなんだ、あ、母さん来たみたい。」


 それから連れてきたあの病院の先生と話をした。なんでも親から能力を遺伝することは珍しくはないが、両方100%遺伝することは例がないらしい。

 父さんからはあまり鬼化のことは他人に言わない方がいいと言われた。二つ目までは少しならいるが3つしかも全系統はいないから最悪拉致されて研究されるかもって言われた。

 怖っそんな事あるんだ。


「あ、司くんと綾ちゃんには言ってもいいぞ。」とは言われたけど。

 その後家に帰ってきた俺は朱音に能力について質問攻めにあった。

「雪姉ズルい」とか「辛そうだね、飲む?」とか色々言われた。飲んでないからね!?

 それと、朗報もあった。


「雪、さっき電話があってね。司くんと綾ちゃんの学校に入れることになったから5月の初めから学校に行けるよ。サプライズで挨拶の時に教えようよ♪」とか言っていた。

 確かに急に女になったりとか能力あったとか電話よりあった方が楽だしなと思った俺は賛同した。

 それまでは訓練場で鬼と吸血、後血液操作を練習する予定だ。



 それから半月俺は死に物狂いで頑張った。

 血液操作はある程度のスピードで操作できるようになったし武器にすることも出来るようになった。

 吸血に関しては血が美味しい。

 鬼の力に関してはある程度自分の好きに変化出来るようになった。能力の複合も試した。【血刀】の強化はもちろん、暴走の原因となった【鮮血武装】も腕のみ纏えるようになった。

 後からわかったことなんだけど鬼の力の源はツノで切られると力が半減するらしい。だから吸血でツノを強化したところまた、暴走した。

 まだこれに耐える身体になってないとのことだった。

 ここまでやったんだから、あいつら驚いてくれるかな?



後書き

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