躑躅宝之華

「遊びに行きたいなー」


とぼやいていたところ、碧唯さんが


「じゃあプールとかは?」


というお返事をもらいました。


「えー!いいですね!行きたい!」


「じゃあそうしましょう」


ということで、プールに行くことになった!

ついでに暇そうな人達も誘って下さるそうだ。

碧唯さんの知り合いって…

どんなメンツになるのかなぁ?

私の知り合いのモデルさんを誘うのもどうかと思うし。お任せするしかないな。



川中忍


「ねぇ、みんなでプール行かない?」


って碧唯に誘われたけど。


「あ、ちなみに私は行かないけど?」


なんなんだ…。


んで、躑躅家の人と行かないといけないらしいけど、なぜか旭川と細川、柊君も誘うように言われた。


しぶしぶ連絡してみることに。


まず、細川だが…


「は?プール?」


「そう、零くんたちもいるけど」


「忙しいから無理」


と、きっぱりと断られた。

あいつ絶対泳げないからだ。まずチビすぎて足がつかないだろうしな!かっこつけやがって。


それから柊君に連絡してみたけど、ダメだった。


「泳げないから、行かない」


そうか…残念。みんな泳げないのか…。


旭川には軽くメールしておいたけど、あいつのことはどうでもいい。



躑躅宝之華


「ねー零さん!プール行くけど水着とかある?」


「いや、ないです」


ということで、買い物にわざわざ行ったのでした。

私はというと、前タレントの仕事で使ってたのがわりとたくさんあったので、買わずに済んだ。昔はパットとか入れてたけど、今はちょうどいいかも!

でも、たくさんあると選べない!


ということで、プール行こうとか言ったくせに行かない碧唯さんに選んでもらうことにした。


「とりあえず全部着てみたら?」


「えー」


全部着るはめに…。


水玉、ヒョウ柄、それに無地のものまであったけど。どうなの?


「んー、私はどれでもいいけど?零くんはどう?」


「え?」


僕?みたいな。ぼんやりとファッションショーを見てた零さん。話振られて戸惑ってた。


「え、えーと…?」


と言って固まる零さん。ったく!


なんの参考にもならず、結局のところ碧唯さんも決めてくれず無難に水玉のビキニに決めた私。

ま、なんでもいーのよ!!


そして、プールの日。

私はウォータースライダーとか激しいのに乗りたかったんだけど危ないからだめよ、と碧唯さんに止められてたのでしょうがなくビーチボールをして遊んだ。


それにしても、零さんの筋肉すごいな。

一緒に行った旭川さん、川中先生はモヤシのように思えてしまったよ。

特に川中先生は肌が白いので、際立ってた。

ま、私は大人だから言わなかったけどさ!


「おーし、昼飯でも食うか」


というチャラい旭川さんについていき、ご飯をおごってもらったのでした。

なんか申し訳ない。


帰ってから零さんにお礼の品をあげたいけど何にする?というと、え?と驚かれた。


「だからー旭川さんに昼おごってもらったでしょ?」


「いや、しかし本人がいいとおっしゃいましたし」


「でも年上の人だしー?」


「いつもそうしているのですか?」


「は?いつもって何?」


「いや…」


「だってさー旭川さんってスタイリストの旭川さんの弟じゃん?だからーなんか申し訳ないっつーか?」


「そう、なのですか?」


珍しそうに見られた私。でも、


「では、知り合いのところでお菓子を買って参ります」


「いーの?」


さっすが零さん!結局のところなんでもかんでも零さんにやってもらってる私。


お菓子は直接は渡さず川中先生に渡してもらうことにした。でも、


「俺は連れてってやったのに、なんでお礼は旭川のみなんだ!」


「だっておごってくれたの旭川さんだしー!」


「うるせー!もともと碧唯が誘ったし!」


「それじゃー碧唯さんにあげよっかなー?」


「は?行ったのは俺なんですけど?」


「あ、あの…お菓子でしたらうちに少しならございます」


心配して零さんがフォローしてくれた。


「うわー零くん優しい。超優しい!」


「んな!ひどくないですか?てゆーか川中先生にはあげないで下さいよー!」


「え?しかし…」


「零くんありがとう。気にするなよ」


「それってくれってことー?うざー」


「くれるもんはもらうし!」


「うざすぎるー」


「お前がわけわかんねーことするからだろ!」


ということで、今後おごってもらったくらいで、お礼はしないことにした。

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