番外編

小暮有太

ほのかちゃんが結婚していると知ってショックをうけた。しかも、


「とてもイケメンな方で、誰もかなわないような、そんな人です」


って、翼さんが言ってた。それって、俺なんか足元にも及ばないということですよね。そう思うと惨めになった。そんで、やる気もなくなってスケジュールは詰めないで、ゆっくり組んだ。ジャムちゃん以外。


「有太、やる気あるの?」


「ない」


由良の撮影とか、全然やる気でないんですけど?


「じゃあ、私帰るね」


「どーぞ」


「明日はちゃんと撮影してよね」


「さあ。あ、今日ほのかちゃんって来てないの?」


「休みみたいだけど?」


「あ、そう」


今日は旦那とどっか遊びに行ったのか?俺は早くかわいい子見つけないと、やばいって。


「有太、抜け殻みたいね」


「そうかよ。帰るんじゃなかったのかよ」


「帰るよ」


由良ってわかんねぇ。別れてから変わったかもしれない。

さて、俺も今日は帰るとするか。だけど、そのやる気もでないという。だめだな、俺。


「小暮さん、やる気なさすぎですよ?」


「うわ、萩原」


今会いたくない、そしてしゃべりたくない男ではないか。こいつと話すと、疲れるんだよな。


「なんですか、うわ!とか。ひどいです」


「あー、ほのかちゃんって休み?」


話題を変えようではないか。


「それが、昨日すごい機嫌悪くて、今日は休ませました」


「お前休ませたのか?」


「はい。小暮さんも少し休んだらどうです?」


「そーだな」


意外と体調のことを考えている萩原に驚いた。


「そのほうがアシスタントさんたちも休めますよ。小暮さんはいるだけでうっとおしいので」


「は?」


こいつ。俺がちょっと見直したのに、これだよ。


お前の方がうっとおしいって!

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