第26話

「脱線しましたが…確認を。明日から事務所に来て頂くということで、大丈夫ですか?」


「はい!もちろん!」


「…心配なので私も同行してもよろしいでしょうか?」


え、零さん?そんなに心配してくれるの?

でもさっき秘密にしようって言ったばっかりじゃん!


しばし沈黙が流れた。


「零さん、私大丈夫ですよ?」


これは断らないと。なんか面倒だし。


「どんな会社なのか知りたいですし…よろしいでしょうか?藤原さん」


「え…」


めちゃくちゃ困らせてるし。


「ねぇ、零さん。いや、零くん?そんな心配しなくてよくない?」


真奈さん、ここをどうかまとめて下さい。


「東京は初めてなので、心配なんです」


「そうなの?どうする?」


困惑する2人。零さんやっかい。


「じゃあ、こうしましょう。佐賀さんは先に私たちと中で皆に挨拶を済ませる。その後に外で翼さんと零さんが会って、会社について話すのはどうでしょうか?」


藤原さんがまとめた。


「わかりました。では、明日ですね」


「はい。よろしくお願いします」


急に打ち合わせっぽくなった。なんじゃこれ。



帰りながら、零さんに質問してみた。


「ねー、なんで一緒に行きたかったんですか?」


「どんな人がいるのか、ただ気になって。しかし、部外者にはガード固いんですね。普通に入ることは許されないんでしょう」


「へぇー。そーいうこと?」


「そうですね。ちゃんとした会社のようですね」


なーんだ。ちゃんと話聞いてんじゃん。

無視したかと思ってたしー。

その後は、藤原さんの髪型とか真奈さんが性格悪いとか…そんなことを話しながら家へと帰った。

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