福岡
14
「あなたのことは調べさせました。青森で柔道の道場をしているとか?お父様の跡取りですって?高校はこの辺りで有名な柔術の先生に習うため。柔道の大会で優勝経験がおありとか?くだらない」
「わたくしは…!どうしても、武さんが…武さんと一緒にいたいのですわ」
「お母様、私は師範の資格もあります。なので、道場の運営はなんの問題もございません。れんこさんには書道を仕事としてもらいたいです。ですが、それはどこでもできることです。私がれんこさんの躑躅姓に入りますので、躑躅の名は廃れません」
「あ、あなたは!わかっていないわ。お金もない貧乏人ですからねぇ!」
「お母様!私は…躑躅の名を広めます。必ず。ですから、この名を穢すようなことは決してありません。誓いますわ。跡継ぎも、必ず男の子を産みますわ!」
「な、なにを…!」
「私は、青森で活動致します。結婚しますわ」
「お金もないのにどうするっていうの!れんこはまだ16なのよ!」
「お母様、れんこさんのことはお任せください」
「…2度と顔も見たくないわ!れんこ、あなたがその名をもし汚したならば、躑躅から追い出します」
「構いませんわ」
福岡の、れんこ自宅は修羅場になった。が、そのまま青森へ帰ることに。れんこ宅に行ったのはかけおちしてから、1週間は経ってたかな?お父様から連絡があって…話をしようと言ったけど、結局仕事で来れなくて。電話ではいいよって言ってた。
「いやぁーお母様怖いなー」
「お父様は電話では認めておりますのよ?お母様は頭が硬いのです」
「…そうなの?とりあえず、一緒に住もうね。まぁ、親父をまずは追い出そう…離れに」
「武のお父様、うちのお父様とは全く違いますわ」
「いや、たぶんどこの父とも違うかな」
れんこの家からたくさんの書道道具と着替えを持ち出した。二人とも力持ちでよかった。しかし、こんなに新幹線には乗らないので、宅急便で送った。
そうそう、れんこの家の掛け軸?は自分で書いてたようだったけど、すごかった。
日本語?
というか、書道家になるのか…。
今まで柔道部でしか見たことなかったから、字なんて見たことなくて…いや、れんこの家ってかなり金持ち?
何にも知らない…。
というか、知ろうとしなかった。
れんちゃんって実はすごい人なの?
書道教室レベルじゃねーよー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。