キャバクラ

7

友人の言っていた店に辿り着いた。もうこんな夜更けだ。


「いらっしゃいませ、どうぞー」


案内されて店に入る。適当に女の子をあてられたが、違う。れんこちゃんじゃない。キョロキョロと回りを見渡す。


「ねーお兄さん誰か探してる?」


「もしかしてー私たちに不満?」


こんな喋り方しない。どんなときにでも。


「あの、他の女の子って何人くらいいますか?」


「えー?まーけっこー?」


「最近入った子はいますか?」


「いるけど?なんかーすごい無愛想でー触ろうとする客の腕捻るわけ!お触り許さん!みたいな?てか、手加減無しかよーみたいな?」

「無駄に敬語の子だよねー?お客さんはそれがかわいいとか?」


「それで…その子は来てますか?」


「あー、あっちの方」


じーっと辺りを見渡す。こちらからは背中しか、いや頭しか見えない。


「うそー!もしかしてぇ、あーいうのがいいーの?」


「ちょっと見てくるんで」


れんこちゃんじゃないと思いたい。だけど、さっきの解説だとまるで…


「おかわりはいかがでしょうか?」


「おねぇちゃん、それよりさぁ」


お客が肩に手をかけようとすると


「やめて頂けます?」


「いって、骨折れる!」


一瞬で捻った。


「ちょっとやめなよー」


もう一人ついている女の子がなだめている。


「わたくしは、この店の方からお客様のセクハラはいけないと教えられておりますの」


「な、なんだよ怖い顔すんなよ」


やっぱり、れんこちゃんだ。古武術も習ってるから、それだ。


化粧はすごいし、髪型も違うし。さらに、胸がばーんと出てて背中もぱっくりしたドレスを着てる。

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