6年目

第49話


 桜も散って、少し暑さもで始めた6月になりました。今日は快晴でいい天気。お母さんと一緒に私たちはダラダラと過ごしております。


 お母さんが家にいる事で、私たちも家にいる事が増えたのだが、今はお母さんも安静にしとかないといけないから、外にも遊びに行けなくて、暇しているのだ。


 まぁ、暇だといっても結心のピアノ聞いたり、ゲームしたりと幸いしようと思えば暇を潰せるものはあるのだ。でも、やる気になれなくて、結局ダラダラと1日を過ごしてしまう日が、最近多くなっている。


 何に対しても、やる気が起きないのってなんか危なかったっけ?そんな疑問は浮かぶが、別に今大した事ではないので、気にしないでおこう。


 そんなふうに、いつもと変わらない1日がすぎると思っていたけど、今日は違った。


「結笑、結心。多分、お母さん陣痛が始まったと思うから、出かける準備してもらえる?私がお父さんとおばあちゃんたちには伝えるから」


 なんと、お母さんの陣痛が始まったのだ。それは私たちがお姉ちゃんになる時も近いと言うこと。私は結心がいるから、既にお姉ちゃんなんだけどね。


 私たちは準備を開始する。前からお母さんの陣痛が始まったら、私たちはおばあちゃんとおじいちゃんの家に泊まることになっているのだ。お母さんにはお父さんが付き合う。


「「できたよー」」


「ただいま。大丈夫か、お母さん」


 私たちの準備が完了するのとお父さんが帰ってくるのは、ほとんど同時であったためすぐに祖父母の家に出発する。


 そして、祖父母の家で私たちをおろした車は、そのままかかりつけの産婦人科へ向かっていった。


 おばあちゃんと私、それに結心はずっとソワソワしている。ちなみにおじいちゃんも平常心を装っているけど、そんでいる新聞が昨日のものなので、内容なんて読んでいないんだろう。つまり、みんなでソワソワしてるのだ。


 しかし、時間が経つにつれて私たちの興味もうするなっていく。いつ産まれるかわかればいいのだが、そんな事はあり得ないので気長に待つしかない。わたしたちは、その気長が我慢できないのだ。


 結局、私たちは普通に遊び始めた。流石に結心のピアノは持ってくる事ができなかったので、私がもってきたゲーム機が遊ぶ。おばあちゃんとおじいちゃんも一緒に遊んでいるのだが、集中できてないのがありありとわかる。


 そりゃあ、私たちと違って普通に心配する面もあるだろうし、私たちの時も体験してるから時間がかかるのはわかってるだろうしね。まぁ、まずお母さんたちを産むときに体験してるだろうしね。


 ゲームは夜まで続き私たちはそのまま眠ってしまった。だから、妹が誕生したと聞いたのは私たちが目を覚ました後のことだった。


〜妹の誕生 数時間前〜

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