第47.5話


 カシャン、カシャン。


 いいよね。このボールとボールがぶつかり合う音。


 私たちは今湯煎の準備をしている。ボールを2つ使って一段目にお湯、二段目に溶かすチョコレートと入れる予定なのだ。今お湯を沸かしている最中なので、ボールが暇なのである。だから、結心と2人音を出して、遊んでいたのだ。


「はい、じゃあお湯沸いたからボールに入れるよ。熱いから気をつけてね」


「「はーい」」


 お母さんが私たちが返事をして、ボールから手を離したのを確認してから、ゆっくり一段目となるボールにお湯を注いでいく。その後に二段目となる少し小さめのボールで蓋をした。


「はい。じゃあ、チョコ入れてください」


 そういって、板チョコを私たちに渡す。私たちは、包み紙を剥いでチョコをボールの中に入れていく。


パキッ!ポリ、パキッ!パキッ!ポリ、、


「あっ!おねえちゃんたべてる!」


ビクッ!


 バレないように少しずつ、ちょっとずつ食べていたのに、結心にバレてしまう。わたしが、固まったまま動けない事をいい事に、結心が犯行現場をお母さんに見せている。


 やめて!お母さんの顔が怖い、、。


「食べちゃったんだ。じゃあ、結笑は完成した時の分減らすからね」


 がーん、、。


 少しの出来後ごろだったのに、そんなことになってしまうなんて思わなかった。だって、チョコレートを少しつまみ食いしただけだよ。


 私はため息をつきながら、チョコ入れを再開する。一枚入れニ枚入れ、わたしが、3枚目を入れようと手を伸ばした時にはもうなくなっていた。その分、結心がすごい量いれたことになる。


 どんな速度で入れてるんだろうとと思って、結心の手元を見てみると、そこには驚くべき光景があった。


 普通のノーマルチョコは茶色いはずなのに、結心の手元に握られていて、今ボールに投入されているのは白いのだ。トッピングのはずに買ってもらったはずのホワイトチョコレートを入れているのだ。


 お母さんも気づいたようだが、もうやってしまったものは仕方ない、と言うような顔をしている。まぁ、私も最初は驚いたが、味は少し気になるのでそのままにしよう。


 その後は、ゆっくりチョコレートを混ぜていく。その際、結心の入れたホワイトチョコレートが混ざっていくのを見るのが面白い。全部混ざり終わって、チョコがドロドロになることには、少し茶色が薄くなったかな?ぐらいの変化になっていた。


 チョコが溶け終わったら、後は型に流し込んで、トッピングをするだけだ。私たちは思いも思いの型を選んで、そこにチョコを流し込む。そして、好きなようにトッピングして、冷蔵庫に突っ込む。


 そして、完成したバレンタインチョコは、お父さんが帰ってきた時にみんなで食べた。


 普通のチョコの中にある、ホワイトチョコのアクセントがいい感じにあって美味しかった。


〜レッツクッキング!〜

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