第47話


 はい、こんにちは。


 今日は近所のスーパーに来ております。年が明けて、2月になったと言ってもまだ外は寒く、私と結心はモコモコの状態です。お母さんも大きなお腹を守るように、もこもこの状態です。


 これなら、外の寒さが赤ちゃんに伝わるのも最小限に防げるね。こんな時期に薄着して外に出て、風邪ひくなんて馬鹿だからね。お母さんは特にだけど、私たちも十分に気をつけないといけないね。


 わたしはカイロを握る力を強めながら、そんなことを考える。今日のカート担当は結心なので、わたしはすごく手持ち無沙汰なのだ。


 そんな状態から解放されたのは、結心の押すカードが目的に着いた時だった。


「どのチョコレートにしょっか?」


 お母さんが私たちに聞いてくる。でも、私たちも初めてに近い状態であり、返答に困っていると、お母さんはそれを理解したように教えてくれた。


「今回は、溶かして好きな形に固め直すだけだから、普通の板チョコでいいとこ思うよ。あとは結笑と結心が、好きなトッピングの材料を選べばいいよ」


「「わかったー」」


 お母さんのありがたい助け舟に感謝しながら、ノーマルタイプの板チョコを選ぶ。隣を見ると、結心がホワイト板チョコを手に持っていたので、それもお母さんに買ってもらうことにする。


 チョコが決まると、あとはお母さんが言っていたトッピング選びだ。ひとえにトッピングと言っても沢山あるので、これにもお母さんのありがたい言葉を頂きたかったのだが、「トッピングは自由だからなんでもいいよ」って、言われてしまった。


 「なんでもいいよ」が、今の私たちにとって1番困るのだが、お母さんはあくまで、善意なので何も言い返すことができない。


 そして、わたしはそんな複雑な考えを考えることをやめた。わたしが思うチョコに合いそうなフルーツやカラースプレーみたいな王道トッピングから、白米やきゅうり、トマトといった変わりだねも用意した。


 無事、スーパーで材料を揃えるとこができた私たちに残っているのは、調理?だけだ。


 商品をレジに通した私たちは店を出で家に帰る。そして、手を洗ってエプロンを着た。これから、こういう事も増えるだろうという事で、私たち一人一人に買ってもらったのだ。


「おえねちゃん、みてないでチョコだして」


 いつ見てもエプロン姿が似合っている結心に見惚れていると、当の本人である結心に怒られてしまう。


 それすらも、ご褒美に感じて来てしまいそうな自分自身に少し恐怖を感じながらも、今回使用する材料をキッチンに出した。


「じゃあ、始めるよ」


 そして、お母さん監修によるバレンタインチョコ作りが始まったのである。


〜レッツクッキング!〜

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