第45.5話
私たちはお母さんを教室にて発見する。でもここで教室に入ってしまうと、すぐにバレてしまう。そうすると、本来の目的であるお母さんの学校での様子を見ることが出来なくなってしまう。
だから、私たちは少しの間教室の外で覗く事にした。教室の外から見れば不審者かもしれないが、まだ何も言われてないので、セーフという事にしよう。
わたしは気持ちをお母さんのことを見る方に全振りする。すると、すぐにお母さんのところに行く生徒達がいる。
その子たちとお母さんは少し話をしていたかと思えば、お母さんの動きが止まるのが見える。そして、教室の中からゆっくりと首を動かして、こちらを向く。
あっ、目が合っちゃった。
突然のことで隠れるとこができなかった。わたしと目が合ったお母さんは、その場にいた生徒たちに何か伝えてから、こちらに向かってくる。
その顔がニコニコ笑顔なことが逆に怖いが、ここには私だけじゃなくお父さんも結心もいる。怒られる時は一緒にだ。
そう思いかながら、顔を上げるとそこにはお母さんの顔があった。
「な〜にしてるのかなぁ」
「いや〜、お母さんがどんな感じで働いているのかなぁ、って思って結笑たちと見に来たんだよ」
私たちが固まっていると、お父さんが助け舟を出してくれる。すごく笑顔が怖いお母さんからの一言は、攻撃力抜群だった。
「ふ〜ん。でどうだったの?私の働き様は」
「まだちょっとしか見えてないけど、良かったよ。生徒たちと仲良く働く姿とか、頼られてた時とか」
「なんだ、結構ちゃんと見てるじゃん。普通に恥ずかしいな。まぁ、見られたものは仕方ないし、切り替えて文化祭見て回ろうか」
「いいの?まだ、働いてたみたいだけど」
「いいの、さっき生徒の子らに許可もらってきたから」
お母さんがさっき伝えてたのはこの事だったのか。わたしはお父さんとお母さんの会話を聞きながら思う。内容は甘々だったけど、この会話いるのかな?
その後は、みんなで文化祭を周った。
ロシアンたこ焼きやホットドッグみたいな食べ物から、射的や縁日、くじみたいな遊びものまで回り尽くす。
ロシアンたこ焼きで、すごく酸っぱいたこ焼きを食べて悶えている結心の表情が、すごく楽しかった。それを見て笑っていると、たこ焼きを食べ終わった結心に怒られた。
でも、すごくない?
6個合って、最初の一個めで見事ヒットしたんだよ。一つしかないのに、それを当てるってほんと、何か持ってるよね。
さらに、わたしは当たらないのに結心はくじの当たりも当てていた。けど、射的でやり返せたのでよしとしよう。
結局1時間ほど遊んで、最後にお母さんと別れて私たちは帰路に着いた。今日はすごく楽しかったので、また来年はどんなふうになっているのだろうか。
〜お母さんを発見 1時間〜
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