第36話
ガサガサ、ガサガサ。
お母さんが袋の中にお菓子や料理をつっこんでいる。これからみんなで外に出るらしく、そのための準備をしているのだ。私と結心は会うのが2回目なんだよね。ちゃんと覚えてもらえてるかな?てか、覚えてる方がすごいか。
私だって、生まれたばかりで一歳にならないようときに会った人なんて覚えてないもんね。ましてや、私たちがあったことがある1回目って言っても、当の本人は寝てたしね。
1回目会ってから、どんな感じに変わってるのかな。今からすごく楽しみだな。
今は、昼ごはんを食べ終わってすぐだから、向こうに着くのはちょうど約束の時間ぐらいかな。ちょっと目を離した隙にどんどん大きくなっていく、お母さんの袋を見ながらそんなことを考える。
あの袋破れないのかな、、、。そんな私の不安は見事的中し、持ち上げようとしたところで持ち手が切れてしまっていた。
ため息を吐きながら、袋を2つにして詰め直している。でも、心なしかワクワクしているように感じる。袋が破けたことよりも、楽しみなことがあるもんね。
ということで、荷物を袋に詰め直し終わったお母さんと、部屋からラッピングされた箱を持ってきたお父さんと一緒に家を出発する。
荷物を後ろに乗せて、私たちはチャイルドシートに乗せられて、って私たちぐらいなれば自分で出来ますとも。
そして、家を出発する。目的地まではそんなにと遠くなかった気がするが、何せ結構前のことだから覚えてないのだ。最近、祖父母の家への道のりがちゃんとわかるようになったんだよ。
こんな記憶力な私に覚えておけるわけがない。そこの景色を見ながら思い出していく。
すると、着いたわけではないのに車が停止した。お母さんが車を降りて店の中に入っていく。店名は英語のため見えない。でも、ここは結構最近に来たことがあるから覚えてるよ。
ここはケーキ屋ですね。私たちの誕生日にもご利用させてもらいました。本当にここのケーキ屋のケーキは美味しいんだよね。切り分けてあるものだけど、ホールケーキも飽きずに全部食べれてしまう。
私たちのお父さんやお母さんの誕生日でも利用させてもらってるから、ある意味常連客だよね。まぁ、今回は自分達のためじゃないけど。これは向こうに頼まれたのかな。ケーキなんて被ったらどうしようもないからね。
しばらく経つと、白い箱を持ったお母さんが出てくる。袋の中にはケーキだけじゃなくロウソクもちゃんと買ってある。色んな意味で一本だよね。
私たち家族を乗せた車は、その後すぐに目的地に到着する。こんなに近かったんだね。
降ろさないといけない荷物が多めのため、私たちも手伝う。最初に車を降りてインターホンを押してくれていたお母さんがドアを開けていてくれる。
そのまま、家に上がらせてもらうと部屋には飾り付けがしてあった。
【響華、誕生日おめでとう!!】
〜響華ちゃんお誕生日会 1時間前〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます