第35.5話


 私たちは、2人揃ってある建造物の名前を言ったのだった。


「「かんらんしゃだ!!」」


 子ども2人のハモリに対してお母さんとお父さんは、私たちのこんな顔が見たかったと言わんばかりにニコニコしている。


「それでは、夢のような世界をお楽しみ下さ〜い」


 そんな従業員さんの声と共に楽しい、楽しい1日がスタートする。目の前には観覧車、ジェットコースター、メリーゴーラウンド、コーヒーカップなど、他にも私たちの知らないようなアトラクションが沢山ある。


 今日はお母さん達が、遊園地内アトラクションフリーパスを買ってくれたので、どんなアトラクションでも、ちゃんと並べば乗り放題だ。


「それじゃあ、最初は何に乗りたいですか〜」


「「うーーん」」


 お母さんの質問に対して考え込む私たち、乗りたいのもやりたいことが多すぎて決まらないのだ。2人で30秒ぐらい考えた結果、でた答えはメリーゴーラウンドだった。これは2人で出した結果じゃなくて、結心が「あのお馬さんに乗りたい」と指差したことで決定した。


 あの時の結心ときたら、攫われるんじゃないかと思うぐらい可愛かったな。


ガクン!


 そんなことを考えているとメリーゴーラウンドが動き出した。お父さんは乗らずに外で写真を撮っている。お母さんとどっちが写真を撮るかで揉めていたようだが、どうやらお父さんが勝ったようだ。3人で馬に乗っている。普通は2人までだと思うが、ここのはとても広くて3人乗りができたのだ。


「たのしかった」


 終わった後に、結心が満足そうな顔でそういう。乗っている間も本当に楽しそうにしていたので、私も楽しくなった。周りの人も巻き込むのってすごいことだよね。


 私たちはメリーゴーラウンドに乗った後は、私のリクエストでスカイウォークに乗った。高いところにあるレールの上を鳩みたいな乗り物で、移動するアトラクションだ。私たちみたいなちっちゃい子でも乗れてよかった。


 結心は不安そうにビクヒグしていたが、その様子も楽しめて一石二鳥なアトラクションだった。よかった、よかった。


 その後も遊びに遊んだ。私達でも乗れるスリリングなアトラクションから、コーヒーカップみたいなアトラクションまで。


 お昼もテーマパーク限定の料理やお菓子を食べた。お母さんの料理も美味しいけど、こういうところで食べるのも良いよね。


 楽しい日に限って、時間が過ぎるのは早い。私たちは最後のアトラクションとして観覧車に乗ることになった。


 テーマパーク最後に観覧車という定番のシチュエーションだが、そんなに人はいなかった。私たちが帰る時間もあるから少し早めだったのかな?


 すぐに乗れた観覧車では、今日遊んだアトラクションがいっぱい見えた。あれがどうだったとか、こうだったとか言いながらゆっくり動く観覧車。


 初めて来たけど本当に楽しいところだったな。


〜テーマパーク 1日〜

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