第34話 後編
結心が自分の誕生日プレゼントを選び終わって、つぎは私の番になった。
結心とお父さんは一旦車に戻ってピアノを置いてくるそうだ。郵送じゃなくて帰ったらすぐに使える様に現物を持って帰る様にしたからね。
流石にずっと持って移動するのも疲れるし、結心が今にも弾きたそうにうずうずしているのが、わかるので一旦距離を離そうという魂胆もある様だ。
そして、私とお母さんはというと、ブラブラしていた。実は私の欲しいものはまだ決まってないのだ。ショッピングモールに行けばいいものでも見つかるかな、なんて考えていたけど、今のとこ何にもなかった。
結局、結心とお父さんが帰ってきても構ってないので、家族みんなでショッピングモールを移動することになる。結心と違ってこういう所は計画性がないのでダメだなぁ、って思う。
30分ぐらいうろついても、何もピンとくるものがなく、休憩を取ることにした。
お母さんに冷たいジュースを買ってもらってベンチに座って飲む。外には桜が咲いている。満開とまではいかないが、まだ見てて綺麗だなって思う。けど、もう少ししたらこの桜も散って葉っぱになってしまうと思うと、少し寂しくもあるよね。
ぼーっと、外を眺めていると、私たちよりも年上の子どもたちが通って行くのが見える。それも自転車に乗って。
そこで、私はピンときた。ピンときてしまったのだ。
飲み物を飲み終わってから、自転車屋に行く。おばあちゃんとおじいちゃんにもらったスライダーはまだ使っているが、流石にイージーすぎて物足りなくなっていたのだ。
私は迷いなく歩いていたはずなのに、迷ってしまった。大きすぎるよこのショッピングモール。結心が迷っていた気持ちも分かってしまうな。
お父さんに運ばれながらそう思う。もし、前にあった人に出会ったらデジャブかなって思われるよね。
私が迷っていた場所は少し惜しかったらしく、お父さんに持ち上げられてからすぐに目的地に着く。
そこには、いろんな自転車がある。結心でさえ少し興味があるらしく、自転車を見始めた。私も少し見てから良さそうなものを発見する。
結心はただ自転車に興味があったらしく、私が選んだやつにも興味を示していたのでいいとしよう。そこから、補助輪やヘルメットなど一様。結心が使ってもいい様にヘルメットは二つ買ってもらう。
もちもん、結心のは、結心の好きなやつだ。
その後も防犯登録やら修理保険やら、私たちのわからない話が続いたが、無事自転車を買ってもらうことができた。流石に自転車は車に乗せられなかったので、郵送してもらう。
明日にでも届く様だ。明日への楽しみもあるけど、今日は、まず家に帰って結心のプレゼント実演だね。
〜結笑プレゼント決定 1時間前〜
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