言い訳

「このままじゃ私、留年するかもしれないもの。成績が悪くて」



「は?何を言ってんだよ。お前、この前の授業中に、

英語の先生に褒められていたじゃんか。そんな奴がダブるわけがないんだ」


俺は薄々感づいていた。

幼馴染の橘ヒナタが、俺の兄貴目当てで、勉強ができるくせに

わざと手を抜き、予習や復習を怠りながら、頭角を現さずにいることを。


「大体な、おかしいいだろーが。

なんで、県下トップの進学校に入学できたはずのお前が、

俺と同じ底辺高校に通っているんだか全く解せない」

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