消えない思い 〜月日(とき)を越えて残るもの〜

Shizukuシーちゃん

1 約束の会話

「ねぇ、遠いのは、分かってる。でもさ、また会おうよ。僕らは、何年でも待ってるからさ。」

彼は微笑むと、

「またね。今度来たら、れみちゃんに会わせてね。」

「あぁ、またな」


2018年3月20日。

それが彼との最後の会話だった。


〜10日後〜

両親とお腹の中にいるれみと一緒に、小3で、峰光(みねるら)町を旅立った。



「おにーちゃん、みねるらちょーって、どんなとこ?」

5歳になったれみが聞いてきた。

「あの町はね、お兄ちゃんにとって、大切な町だよ。」

「たいせつ?へ〜。ねぇ、れみもいってみたい〜」

「あっ、そうだ。今度の休みに連れてってもらおう。」

「わ~い!」


あの日からもう5年か。やっと会えそうだよ。

「ホント!?楽しみにしてるから。」

俺の心の中で、彼は笑った。

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