今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、なぜかおまけで女神を押し付けられる~
第415話~神聖同盟の本部の場所が判明?~
第18章~潜水艇の新造と遺跡でのお宝回収が完了したら、人魚の国へ行こう!~
第415話~神聖同盟の本部の場所が判明?~
獣人の国の遺跡の封印も終わったし、お父さんたちも帰ったし、俺たちもそろそろノースフォートレスの町へ帰ろうと思う。
ということで、まず帰る前に屋敷の片づけをする。
「リネットさん、テーブルの下を拭きたいので、テーブルを持ち上げてもらってもいいですか」
「いいよ」
「ホルスターに銀ちゃん。おもちゃはちゃんと整理しておもちゃ箱に入れなさい」
「「は~い」」
そうやってみんなで手分けして部屋の掃除をしたり、荷物の片づけをしたりしている。
俺もさっきから窓ふきの仕事をやっているが、たまには家族でこうやって協力して仕事をするのも楽しいと思う。
「ララララ~。お片づけは楽しいな~」
ヴィクトリア何か楽しいのか、鼻歌まで歌っているしね。
こんな感じで、この日は一日中を部屋の片づけに費やしたのだった。
★★★
その翌日。
「それでは、今から王宮へ行くぞ!」
「「「「はい」」」」
俺は嫁たちとネイアさんを引き連れて王宮へと赴いた。
国王陛下に暇乞いの挨拶をするためだ。
まあ、国王陛下には仕事ももらったし、銀が攫われた件でも警備隊を貸してもらったりしたからな。
帰る前に挨拶くらいはすべきだと思った。
ということで、数日前に謁見を申し込んだ結果、今日の謁見の約束を取り付けたので、今日こうして王宮へ向かったという訳だ。
王宮へ着くとしばらく待った後、俺たちの順番が来たので国王陛下と謁見する。
「ホルストよ。久しぶりだな。息災であったか?」
国王陛下は謁見が始まると同時にそんな風に気軽な感じで声をかけてくれた。
他の国の国王なら驚くような話し方だが、ここの国王陛下はいつもこんな感じなので俺も気にせず続ける。
「はい、おかげさまで元気に過ごさせてもらっています」
「左様か。それは何よりだ。ところで、この度は帰国前に挨拶に来たという話だったが、帰国するということは、例の遺跡の封印。あれは終わったということなのか?」
「はい。何とか封印に成功しました。これも王様の御威光のおかげでございます」
「そうか、それはめでたい。これでそなたらが請け負っている神命の成功にも一歩近づいたようだな。これからも頑張るのだぞ」
「はい、ありがとうございます」
俺の報告を受けた国王陛下は、ニコニコ顔で励ましてくれたのだった。
この辺りここの国王陛下はあまり裏表がなくて人の良い人だと思う。
「ところで、お前たちが前に捕獲してくれた窃盗団の話なのだがな」
ここで、話が変わって窃盗団の話を国王陛下がし始めた。
何か変わったことでもあったのだろうか?
そう思った俺は期待を膨らませて国王陛下の話を聞くことにする。
「窃盗団ですか?何か変わったことでもありましたか?」
「実はな。窃盗団の取り調べをしている中でな。お前たちが関わっているという謎の組織……何という名前だったかな?そう!神聖同盟だったな。あれに関する情報を掴んだのだ」
「神聖同盟の情報を、ですか?本当ですか?」
「うむ、本当だ。ワシも詳しい話は知らないのだが、警備隊長のルーメンスがそう申しておった。詳しくは帰りに警備隊によってルーメンスに聞くとよい」
「わかりました。是非そうさせていただきます。情報をいただきありがとうございます」
ようやく神聖同盟の手掛かりがつかめそうになった俺は、心の中で思わずニンマリするのだった。
その後は、しばらく国王陛下と雑談し。
「それでは、これで失礼させてもらいます」
「うむ。頑張るのだぞ」
最後はそうやってお別れの挨拶をし、俺たちは王宮を出たのだった。
★★★
その後は国王陛下に勧められた通りに王都の警備隊に寄った。
入り口で警備隊長のルーメンスさんに面会を申し込むとすぐに会ってくれた。
「いやあ、ホルスト殿、お久しぶりです」
ルーメンスさんは俺たちのことをそうやって笑顔で出迎えてくれた。
従兵を呼んで、お茶やお菓子まで出してくれて歓迎してくれた。
聞く話によると、ルーメンスさんは窃盗団の件で功績を立てたことを認められ、出世が内定しているということだ。
だからこうして俺たちを手厚くもてなしてくれているのだと思う。
それはともかく、早速話を聞くことにする。
「国王陛下にお聞きしたのですが、何でも窃盗団の尋問をする過程で、神聖同盟の情報が入って来たとか。今日はその情報を教えてもらおうとやって来たのです」
「ああ、今日来られたのはやはりその件でしたか。確かに窃盗団の尋問過程で神聖同盟に関する情報が入ってきました」
「本当ですか!」
どうやら国王陛下の話は本当だったようだ。
俺は、これで多少は神聖同盟の実態に迫れるのではないかと思い、期待に胸を膨らませて話の続きを聞く。
「ええ、本当ですとも。実はですね。神聖同盟の本部の場所に関する情報が入って来たのですよ」
「本部の場所の情報ですか?」
「はい。どうやら神聖同盟の本部はヴァレンシュタイン王国にあるようなのです」
ヴァレンシュタイン王国に本部がある。
・……って、うちの国じゃないか!
そうか、意外と近くにあったんだな。灯台下暗し、とはまさにこのことだな。
そう思いながら、俺はルーメンスさんにさらに詳しい情報を聞くことにする。
「それで、本部はどのあたりにあるとか具体的な場所の情報はありますか?」
「申し訳ないのですが、ヴァレンシュタイン王国にあるという事しかわかっていないです」
「そうなのですか?」
「というのも、そのことを白状した奴の情報によると、まず本部へ連れて行かれる者は、目隠しをされるそうなんですよ。それで、その状態のまま本部へ連れて行かれるみたいなので、基本どこに本部があるかわからないそうです」
「目隠しをされるんですか。確かにそれではわからないですね。……って、その白状した奴は何でヴァレンシュタイン王国だとわかったんですか?」
「それはですね。どうもその男、本部に着く前日にどこかの森でトイレに行かせてもらったそうなのですが、その時に遠くから猟師の会話が聞こえたんだそうです。それでその言葉がもろにヴァレンシュタイン王国弁だったそうで、今自分はヴァレンシュタイン王国にいるんだな、とわかったそうですよ」
「なるほど、そういうことですか。それならヴァレンシュタイン王国に本部があるという話も納得ができますね」
ルーメンスさんの話を聞いた俺は、ヴァレンシュタイン王国に神聖同盟があるという話に納得できた。
正確な場所こそわからなかったが、『ヴァレンシュタイン王国にあるらしいこと』がわかっただけでも大収穫である。
何せ今まで雲をつかむようにフワフワした存在だった神聖同盟というものが、実際に世の中にある物として具体的に頭の中に描けるようになったのだから。
「ルーメンスさん。貴重な情報ありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ大した情報を提供できないで申し訳ありません」
最後にルーメンスさんのそうお礼を言うと、俺たちは警備隊の建物から出た。
そして、皆にこんなことを言う。
「さて、敵の具体的な姿も見えてきたことだし、これからも頑張ろうか」
「「「「はい」」」」
そうやって誓い合った後、俺は町の空を見た。
町の空には春らしい青くきれいな空が広がっていた。
それを見ていると、これから先うまい具合に神命を果たせる気がしてくるのだった。
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