第408話~4魔獣の秘密 4魔獣の正体は……~

「『魔法合成『重力操作』と『空間操作』と『地脈操作』の合成魔法『異世界への追放』』」


 ゴッドドラゴンを倒した俺は魔法で黒い球体を出現させる。

 そして、その中に残ったゴッドドラゴンの下半身、その他体の燃えカスを吸い込ませるように入れる。

 ゴッドドラゴンの体は球体の中に吸い込まれるように入って行き、数分と経たないうちに全てが球体の中へと入ってしまい、封印が完了する。


「これで、ゴッドドラゴンの封印完了!っと」


 ゴッドドラゴンの封印完了により一仕事終えた気になった俺はホッと一息つく。

 そんな俺にみんなが近づいて来て、褒めそやしてくれる。


「さすがです!旦那様!」

「こんなにあっさりとゴッドドラゴンを倒してしまえるなんて、ホルストさん、カッコよかったですよ」

「さすがはアタシたちのホルスト君だ、土壇場でぶっつけ本番の技を成功させるなんて!惚れ直しちゃったよ」

「さすがはホルストさんです。素敵ですわ」


 嫁たちとネイアさんはそう言いながら全力で俺に抱き着いてきた。


 嫁たちはわかるけど、なぜネイアさんまで?とは思ったが、かわいい女の子に抱き着かれて不快なわけがないので黙って受け入れておいた。

 まあ、嫁たちも何も言わないので問題ないと思う。


「ホルスト様、お見事です」

「ホルスト殿、ご立派でしたよ」

「本当にすごかったですよ。この分なら私たちから見てもマールス様の試練に十分合格できそうですね」


 神獣たちもそうやって俺のことを褒めてくれた。

 そう言えば、神獣たちは試練の合否判定官としてついて来てくれていたんだったな。

 オルトロスによると、合格をくれそうな感じなので、俺としても頑張った甲斐があったと思う。


 そして、肝心のヴィクトリアのお父さんだが。


「うむ。4魔獣の一体であるゴッドドラゴンを倒すとは見事だったぞ。一応、ここまでの試練は合格ということにしておいてやろう」


 そうやって俺のことを珍しく褒めてくれたのだった。


「ありがとうございます」

「うむ。しかし、ゴッドドラゴンは手強い相手だったな。自らの肉体の一部からあのような強力な魔物を作ってしまわれるとは、さすがはおじい様だ」


 ……え?お父さん、今なんて言いました?

 ゴッドドラゴンは邪神プラトゥーンの体の一部からできている。

 そんなことを言いませんでしたか?

 そんな事実初めて聞いたんですけど。


 そう思った俺は、お父さんに詳しく話を聞いてみることにした。


★★★


 お父さんがゴッドドラゴンは邪神プラトゥーンの一部だとか言い出し始めた。

 これは初めて聞く情報だ。

 というか、お父さん、そんな大事なことをサラッと言わないでください。


 なので、それを聞いて驚きを隠せなかった俺は、というか俺の嫁たちもお父さんの話を聞いて驚いているが、お父さんに詳しく話を聞くことにした。


「お父さん。ゴッドドラゴンが邪神プラトゥーンの体の一部から作られているって本当ですか?」

「本当だぞ。なんだ?知らなかったのか?」

「初耳ですね」

「そうか。ゴッドドラゴンを始め、4魔獣はすべておじい様が自己の体と力の一部を分け与えて作った魔物だ」

「そうだったのですか。よく考えたら4魔獣たちのあの強さ、神の力の一部を受け継いだとでも考えなければ、ありえない強さですからね」


 お父さんの説明を聞いた俺は妙に納得できた気がした。

 4魔獣と戦うということは神の力の一部と戦うということである。

 そう考えれば、4魔獣があれだけ強かったことの説明もつくような気がした。


 嫁たちも俺と同じことを思ったようで。


「「「「まさか、4魔獣がプラトゥーンと同じ存在だったとは……確かに納得です!」」」」


 と、全員で妙に納得していた。


 しかし、4魔獣と戦うことが神と戦うこととほぼ同義であったとは……。

 知っていたら、4魔獣と戦う時にもっと怖気づいてかもしれない。

 そうしたら、あんなに4魔獣たちとバチバチで戦えたかどうか自信はない。

 もしかしたら、精神的に負担がかかることで、戦闘で負けていた可能性すらある。

 そう考えたら4魔獣とプラトゥーンの関係を知らなかったことは逆に良かったのかもしれない。


 まあ、別に今更どうでもいいか。

 4魔獣には何とか勝ててきたのだから。

 4魔獣はすべて倒してしまったのだから、もうこれ以上気にするべきことではないと思う。

 後はここの遺跡の封印さえ完了してしまえば、女神アリスタの神命も達成完了だしね。


 そうすれば後に待っているのは嫁たちと悠々自適の日々である。

 そうなれば、嫁たちと何をして過ごそうかなと思う。


 まあ、まずは子作りかな。


「子供が欲しい」


 嫁たちが口を揃えてずっとそう言っているので、嫁たちと頑張って子供をつくって行こうと思う。

 俺も子供はたくさん欲しいからな。

 笑いの絶えない賑やかな家庭。

 それが俺の理想だからな。頑張って理想の家庭を築きたいと思う。


 そうやって嫁たちと子供をつくった後はしばらくのんびりと過ごしたいと思う。

 何せここ数年頑張って仕事をして来たからな。

 本当に家族のためにがむしゃらに働き、貯えもそれなりにできた。

 だから、今後は少し仕事を抑えて、仕事に使っていた時間を家族のために使いたいと思う。


 ともあれ、それらをする前にとりあえずこの遺跡の封印をさっさと完了させなければな。


「さて、それでは遺跡を封印してしまおうか」


 ということで、俺は遺跡を封印すべく次の行動を起こすのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る