第407話~決着!ゴッドドラゴン戦!~

 必殺剣と魔法を一緒に使ってみろ!


 ヴィクトリアのお父さんからそんなアドバイスをもらった。

 そのアドバイスを受けて俺は考える。

 果たしてそんなことができるのかと。


 今までも剣に魔法で属性を付与して戦ったことはある。

 それは特定の属性に弱点を持つ敵には非常に有効な攻撃手段だ。

 そのおかげで今まで多くの強敵を葬って来たものだ。


 ただ、剣に魔法そのものを付与して戦ったことはない。

 というか、そんなことは練習でも一度もしたことがないし、そもそもそんな方法があると知ったのでさえ初めてだ。


 いわば俺にとっては未知の技という訳だ。

 だが、確かに未知の技ではあるが、同時に目の前の相手には有効な技であることも理解できた。

 十分に接近してゴッドドラゴンにぶちかましてやれば、俺一人だけでもゴッドドラゴンを倒せる!

 そんな予感がした。

 ということで、やれるだけやってみることにする。


「みんな!今からヴィクトリアのお父さんの言うように必殺剣と魔法を同時に使ってみる。ただし、初めてなので少し準備時間が必要だと思う。そのための時間を稼いでくれ!」

「「「「はい」」」」


 俺が皆にそうやってお願いすると、皆が早速行動に移ってくれる。


「『フルバースト 真空断』」

「『武神昇天流 連武撃』」

「『神化 金剛槍』』

「『神化 精霊召喚 土の精霊』』


 そうやって連続でゴッドドラゴンを攻撃し、俺が攻撃を準備する時間を稼いでくれている。


 その間に俺は準備を進める。

 とは言っても、俺も初めてやることなので何をやればいいかさっぱりとわからない。

 それでも何とかしてみないといけないので、とりあえず魔法を起動させてみることにする。


「『魔法合成 『神化 天火』と『神化 天爆』と『神化 天罰』の合成魔法『神化 神々の怒り』」


 そうやって俺の中で一番強力な魔法を起動させてみる。

 残りの問題はこれをどうやって剣に付与し、必殺剣とともに放つか、ということだ。


 そこで俺は過去のことを思い出す。


 初めて剣に魔法で属性、正確に言うと二属性を付与した北部砦でのリッチ戦での話だ。

 あの時の俺は必死だった。

 魔法で二属性を付与したもののその威力に剣が耐え切れずに溶けだしてしまったからな。

 だから、内心自分でも力を押さえて剣が溶けてしまわないように努力したものだった。

 そうしたら剣が溶けてしまう前にリッチを倒してしまうことに成功したのだった。


 そうだ!もしかしたら、あれを参考にしたらうまく行くかもしれない!

 俺の直感がそれが正解だと告げていた。


 ということで、あの時と同じ感じで剣に魔法を乗っけてみる。


「お!うまく行ったな!」


 すると、うまい具合に魔法を剣に付与することができた。

 これで後はこの状態を維持したまま必殺剣を放つだけだ。

 俺は慎重に作業を続ける。

 剣にいつもより丁寧に神気を込めながら必殺剣を放つ準備をする。


「『フルバースト 究極十字斬』』


 そして、必殺剣の準備も完了する。

 これで準備は完了だ。


 後はこれをゴッドドラゴンにうまく当てればいいだけだ。

 ゴッドドラゴンは器用だからさっきみたいに離れて必殺剣を放っていてはまた必殺剣をかわされる心配がある。

 だから、今度はできるだけ近くで放って避けきれないようにするつもりだ。


 ということで、俺は脱兎のごとく走り始め、ゴッドドラゴンへと近づいて行く。


★★★


「みんな!どけええ!」

「「「「はい」」」」


 十分にゴッドドラゴンに近づいたところで、嫁たちにどくように指示を出す。

 そして、嫁たちが離れたのを確認すると、さらにゴッドドラゴンに近づく。


「ゴオオオオオ」


 ここで俺の接近にようやく気がついたゴッドドラゴンが、ブレスを吐いて俺を迎撃しようとするがもう遅い。

 すでに十分距離を詰めることに成功している。


 ブオオオオオ。

 それでもゴッドドラゴンはブレスを吐いてきたが。


「とう!」


 と、俺はブレスを飛んでかわすと、ゴッドドラゴンの目の前まで接近し、そのまま技を放つ。


「『神々の怒り』と『究極十字斬』の合体技『爆裂究極十字斬』』


★★★


 ドッガーーーン。

 俺の放った『爆裂究極十字斬』が炸裂し、大爆発が発生する。


「『神強化』』


  俺は自分の盾と鎧に魔法を付与して、その爆風から身を守る。


「「『絶対防御障壁』」


 下を見ると、嫁たちもエリカとヴィクトリアの魔法で身を守っていた。


「『究極結界魔法陣』」


 ヴィクトリアのお父さんも魔法を張って自身と神獣たちを守っていた。

 意外に攻撃の威力が強かったので皆大丈夫かな、と心配になったのだが、この分なら問題はなさそうので一安心だ。


 そうこうしているうちに爆煙が晴れ、視界が元に戻る。

 すると。


「お!やったようだな」


 そこには上半身を吹き飛ばされ、下半身だけが残ったゴッドドラゴンの姿があった。

 まだ生命反応を感じるので死んではいないようだ。

 というか、あれだけの攻撃を食らって上半身を吹き飛ばされても死なないとか、4魔獣って本当に怪物だと思う。


 それと、これだけの爆発が起こっても周囲の遺跡にはほとんど傷らしい傷がついていなかった。

 それを見て、さすがは神様の造った遺跡だと思った。


 そういえばゴッドドラゴンも邪神プラトゥーンが作り出した魔物だし、本当に神の力というものを思い知った気がした。


 ともあれ、これでゴッドドラゴンは倒した。

 後はゴッドドラゴンを元の球体に封印し、遺跡の封印もすれば今回の仕事も終わりである。

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