今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、なぜかおまけで女神を押し付けられる~
第394話~買い出しでお菓子ばかり買う嫁たちもかわいいぞ! そして、ロッキード山脈の封印の遺跡へ出発する~
第394話~買い出しでお菓子ばかり買う嫁たちもかわいいぞ! そして、ロッキード山脈の封印の遺跡へ出発する~
「お前たち、よく頑張ったのであるな」
ネイアさんの武道着ができてから数日後、俺たちの仕上がりを見たジャスティスがそんなことを言った。
「この分ならば、遺跡に行って十分に使命を果たすことができるであろう」
そう太鼓判を押してくれたのだった。
その様子を見ていたヴィクトリアのお父さんも。
「ジャスティスも大丈夫だろうと判断したことだし、そろそろ遺跡へ行ってもよい頃合いだと思う。ちょうど桜が咲き始める頃だしな。今から出発すればロッキード山脈に着くころにはちょうど一本桜が咲いているのではないかと思う」
と、俺たちに遺跡へ向けて出発するように促してきた。
二人の意見を受けた俺は決断することにする。
そして嫁たちを集めると、その思いを告げる。
「よし!お前ら、ロッキード山脈の封印の遺跡へ向けて出発するぞ!」
「「「「おおおおーーー」」」」
このような経緯で、俺たちは遺跡へ向けて出発することになったのであった。
★★★
遺跡へ行く前に買い出しに行く。
うちの家族の他にヴィクトリアのお父さんや神獣たち、それにネイアさんも連れて行く。
え?ネイアさんを連れて行くということは彼女も遺跡へ連れて行くのかって?
当然だろ。ネイアさんなら十分に戦力になってくれるからな。
え?仕事は、だって?
もちろんエリカのお父さんに言って連れて行く許可はもらっているぞ。
その辺は抜かりはないぞ。
後、神獣たちも遺跡に連れて行くのだが、今回買い物に行くに際して、全員人間の姿に変身してもらっている。
白狐が人間の姿でいるのは見慣れたものだが、ネズ吉とオルトロスの変身した姿は初めて見る。
ネズ吉は細身の背の高い人間の姿に、オルトロスは筋骨隆々のたくましいオオカミ獣人の戦士の姿に化けている。
二人ともとても男前の姿なので良いと思うぞ。
まあ、前置きはこの位にして買い物をするとしよう。
とりあえず食べ物から買っていく。
一応ヴィクトリアの収納リングの中には色々と食べ物が入っているのだが、今回は神獣たちも同行してくれるというので、彼らの好みの食料から調達することにする。
調達すると言っても俺たちには何が欲しいかはわからないので、お金を渡して各自好きに買ってもらうことにする。
「私は牛とオークの肉を道中食いたいですね。店主殿、そこに吊ってある牛の肉とオークの肉をそれぞれ一頭分ずつくれないか?」
「一頭分ですか?お客さん、それはちょっと多くないですか?」
「構わない。結構長い旅になるからそれなりに食べるだろうし、残ったら眷属……じゃなかった家族へのお土産にするから。あ、それと肉はいくつかに切り分けてくれ」
「まあ、お客さんがそう言うのならそうさせてもらいます」
オルトロスは牛とオークの肉を丸ごと一頭分買うみたいだった。
店主の言う通りちょっとばかり多い気もするが、予算内なら好きに買えと言っておいたので、自由にさせることにする。
というか、お土産って何よ。
そんなものここで気にしたりしなくても、遺跡の件が解決したらいくらでも買ってやるのに。
本当に遠慮深いやつだなと思った。
「拙者はチーズが食べたいですな。店員さん。店頭に並んでいるチーズ、全部下さい」
「え?店頭に並んでいるチーズ全部ですか?」
「本当は倉庫にある分も欲しいが、そこまで買い占めてしまうと、他の客の迷惑になるでしょう。だから店先に並んでいる分だけでいいです」
「畏まりました。少々お待ちください」
ネズ吉の奴は店頭に並んでいるチーズを買い占めるつもりのようだった。
こいつも豪儀な買い方をするな。
まあ、予算内だから別に構わないんだけど、それ一人で食えるのか?
そういえばネズ吉の相棒のカリュドーンの猪もチーズを食うとか言っていたから、こいつも余ったチーズを持って帰って二人で食うつもりなのだろうか。
もう好きにしてくれとしか俺には言えない。
「え~と、これとこれとこれ。この三種類のお酒、あるだけください」
白狐はお酒屋さんで気に入ったお酒をあるだけ買っていた。
俺はてっきり稲荷寿司の材料でも買うのかなと思ったが、それは商館に大量に置いてあるらしいのでそれで十分らしかった。
それよりも白狐もその眷属である狐たちも意外にお酒が好物らしかった。
「お母様はお祝い事がある度に眷属の方を招いて酒宴を開いていますので、お酒は大好きだと思いますよ」
銀がそう言っていたので間違いない。
多分道中では酒を飲みながら稲荷寿司をつまむつもりなのだろうと思う。
それで余った分は、他の二匹のように、持って帰って眷属と食べるつもりなのだろうと思う。
それにしても神獣たちは三匹とも金の使いかtが大雑把だな。
まあ、それも当然と言えば当然か。
神獣が人間のお金を持っていてもしょうがないからな。
だから使える時に使っておけということなのだと思う。
そうやって神獣たちが自由気ままに買い物をしている一方で。
「ここのケーキ屋さんのチーズケーキおいしかったですね。これも旅に持って行きましょうか。お父様も食べますよね?」
「うむ。ヴィクトリアが出してくれる物なら、お父様は何でも食べるぞ」
「クッキーにパイにドライフルーツ。これくらいあれば、、旅の間のおやつには困りませんね」
「アタシもそれでいいと思うよ」
「私もそのくらいあれば大丈夫だと思います」
嫁やネイアさん、お父さんたちはおやつ選びに夢中なようだ。
まあ、普通の食料という点ではヴィクトリアの収納リングに十分に入っているからおやつを選ぶだけで十分だと思ったのだろうと思う。
俺も嫁たちの出してくれるおやつを食べるのは楽しみだから、別に構わないけどね。
「ホルスターちゃんは銀の作ったパンケーキやクッキーが食べたいのね。え?ジャスティス様もそれでよいのですか?それではたくさん材料を買って帰りましょうね」
「うん、銀姉ちゃんの作るお菓子楽しみだなあ」
「私もなのである。銀の作るお菓子はヴィクトリアの作るお菓子に味が似ていてとてもおいしいのである」
銀たち三人は銀が作るお菓子の材料を買っているようだ。
ホルスターに銀、ジャスティスの三人は今回お留守番だ。
留守番するにあたっては、銀が二人のおやつの責任は持つと言うので銀に任せることにする。
ホルスターと婚約して以来、銀はお菓子の他にエリカに料理の作り方を習っているらしく。
「練習がてら、今日の晩はホルスターちゃんにハンバーグを作ってあげます」
と、事あるごとにホルスターにご飯を作ろううとしていたりする。なので、今回は銀に任せ、銀がしたいようにさせてやることにする。
こんな感じで、食料品を中心として買い物は順調に進み、夕方頃には商館へと帰ったのであった。
★★★
買い物を終えた翌朝。
「さあ、それでは遺跡へ向けて出発するぞ」
俺たちは遺跡へと向けて出発した。
メンバーは俺と嫁たち、ネイアさんにヴィクトリアのお父さん、それに神獣が三匹だ。
とは言っても、お父さんや神獣たちは特に戦ってくれるわけでもなく、ついて来てお父さんの試練とやらに俺が合格しているかどうかの判定係が主な仕事の様だった。
「行ってらっしゃい」
ホルスターたち居残り組の見送りで商館を出る。
そしてブレイブの町を出て少しした所で。
「『空間操作』」
魔法でロッキード山脈の窃盗団のアジトがあった場所まで一気に移動する。
そして、そのまま移動を開始する。
「今日は良い天気ですね」
ヴィクトリアが言う通り天気は雲一つない晴天だった。
その空を見ながら俺は思う。
この天気のように、何一つ困難に遭うことなく、遺跡を攻略できたらいいな、と。
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