今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、なぜかおまけで女神を押し付けられる~
閑話休題58~久しぶりの淑女会 ネイアの報告~
閑話休題58~久しぶりの淑女会 ネイアの報告~
リネットだ。
今日は久しぶりの淑女会の開催日だ。
今日の淑女会はちょっと豪華にする予定だ。
いつものようにカフェでするのではなく、ブレイブの町の最高級ホテルのレストランの特別室を借りて開催する予定だ。
このレストランの特別室を借りるには、食事代金の他に部屋の賃貸料も必要なのだ。
だからここを利用使用するとなるとかなりの金額が必要になる。
それなのになぜここを使うのかって?
それは……。
おっと、そうこうしているうちに参加者が全員集まってしまったようだ。
ということで、その理由については淑女会の様子をご覧いただくことでわかっていただけると思う。
★★★
ネイアです。
本日はエリカ様に呼ばれて、ホルストさんの奥様方でやっている淑女会にやってきました。
本当は今日も仕事だったのですが、エリカ様が私の上司である支配人のコッセルさんに「ちょっとネイアさんを借りてもいいかしら」と言うと、支配人はあっさりとオーケーしたので、公休扱いにしてもらってここにやって来たのです。
それにしても今回の開催場所はすごいですね。
今回の開催場所はブレイブの町でも高級で知られるホテルのレストランの特別室だそうです。
淑女会に参加させてもらうのは初めてなのですが、いつもは普通のカフェで開催するそうです。
それを考えると、奥様方の私に対する期待の大きさがわかるというものです。
さて、奥様方の期待に応えるためにも気合いを入れて臨まないと!
★★★
ヴィクトリアです。
今日は久しぶりの淑女会の開催です。
今日はお祝いの日ということで、特別にホテルのレストランの特別室を借りての淑女会です。
たくさんのごちそうやお菓子、飲み物を用意して盛大にやるつもりです。
え?何のお祝いかって?
そんなのネイアさんのお祝いに決まっています。
銀ちゃんに聞いた話だと、今日の朝のお兄様の訓練、ネイアさん、銀ちゃんとホルスターちゃんが来た時にはすでに一人で訓練を始めていて、しかもとても良い笑顔だったそうですよ。
それを聞いてネイアさんに良いことがあったんだなと判断したワタクシたちは、今日急遽淑女会を開催することにしたのでした。
ああ、ネイアさんの報告を聞くのが楽しみです。
★★★
エリカです。
さて、メンバーも集まったことだし、いよいよ淑女会を始めたいと思います。
まずは私が口火を切ることにします。
「さて、これから淑女会を始めます。それで、早速なのですが、ネイアさん昨日はどうでしたか?私たちが頑張って作ってあげた機会をうまく活かせましたか?」
そう私たちは旦那様とネイアさんの仲を取り持つためにお膳立てしました。
ネイアさんに何か大きい買い物をさせて私たちを誘うように促し、その後で私たちは体調不良と称して旦那様とネイアさんを二人きりで出かけさせる。
そんな完璧なプランを提案しました。
どこまでうまくやるかはネイアさん次第のプランです。
一応行けるのなら最後まで行っても良いとは言っておきましたが、まあうちの旦那様は鈍いのでそこまでは期待できないでしょう。
ただ銀ちゃんの報告ではうまくやったみたいなので、良い報告を期待しています。
それで、そのネイアさんの報告は……。
「多分、ホルストさんは私の思いに気がついてくれたのではないかと思います」
予想通りかなりうまくいったみたいでした。
「「「おおおおおーーー」」」
それを聞いて私たち全員が感嘆の声をあげます。
「それでどうやったのですか」
「まず皆様のアドバイス通りにホルストさんになるべく接近するようにしてみました」
「具体的にはどうやったのですか」
「色々と用事を頼んで私の存在を意識させたり、お店を移動する時に自分から手を繋いでアピールしてみたりしてみました」
「ほほう、やるじゃない。それだけやれば、鈍いホルスト君でも何かあるんじゃないかと感づくんじゃないかな」
「それで、その後はどうしましたか。まさかそれで終わりという訳でもないでしょう?」
ここまでの話を聞くだけでもうまくやっていると感じた私は早く続きを話すようにと促します。
するとネイアさんは続きを話し始めました。
「買い物が終わった後は近くの公園に行って二人でベンチに座りました。それで温かい飲み物を飲みながらホルストさんの隙をうかがって、ホルストさんが寒がっていたので、『ホルストさん、お寒いようですね。暖かくなるいい方法を知っていますよ』と言って、思い切って抱き着いて暖めてあげました」
「「「うおおおお、大胆!」」」
ネイアさんの更なる大胆な行動に私たちはまた感嘆の声をあげました。
「それで旦那様の反応はどうでしたか。ネイアさんに手を出したりはしませんでしたか?」
「それがホルストさんはいきなりのことに驚いたご様子で、それ以上は何もしてきませんでした」
何という事でしょうか!あのヘタレ!
我が夫ながら、そこまで女性にされて何もしないとは一体どういう事でしょうか。
私がもし旦那様ならば、絶対放っておかないのに!
……でも、よく考えたらそれがうちの旦那様という人でした。
女の子に迫られても自分からは手を出そうとしない。
そういう義理堅い人だからこそ、私もヴィクトリアさんもリネットさんも、そしてネイアさんも旦那様を好きになったのですから。
ここで急に性格を変えろというのも酷な話でしたね。
「そうですか。手は出してきませんでしたか」
「はい。でも、私のことを嫌いという雰囲気でもなく、私にされるがままに大人しくされていましたよ。多分、あれは私のことが好きだと気付き始めている証拠だと私は感じました」
「そうですか。旦那様はネイアさんから離れたりはしなかったのですね。ならば、旦那様はネイアさんに脈があるのだと思いますよ。それで、昨日やったことはそれで終わりですか?」
その私の問いかけに対してネイアさんは首を横に振ります。
「その後、二人で食事に行きました」
「ほほう。食事ですか。そこで何か進展はありましたか?」
「いえ、食事の時は何もなかったです。ただ、その後荷物を私の部屋まで運んでもらったのですが、その時別れ際に『今日のお礼です』と言って、ホルストさんの手にキスをしておきました」
「「「ほほう、キスですか!やりましたね!」」」
キスをしたと聞いて、私たちは三度感嘆の声をあげます。
「それで、旦那様の反応はどうでしたか?」
「はい、突然のことにびっくりしたみたいで、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていましたよ。そういう所、本当にかわいらしい方だと思いました」
「そうですか。それは本当に脈がありそうな感じですね。あともう一押しといったところですね」
「そうですね。そんな感じだと思います」
「では、次のデートくらいでは頑張って旦那様を落としてみなさい」
「はい、頑張ります」
これにて報告は終わりです。
ネイアさん、旦那様に順調に近づけているようで何よりです。
この分だと、ネイアさんも旦那様とくっつけて、一族繁栄と行きそうなので、とても良いことだと思います。
★★★
ネイアさんの報告が終わった後は、食事会の開催です。
「さあ、どんどん食べましょう」
食事会が始まるなりヴィクトリアさんがすごい勢いで食べ始めました。
ちょっとお行儀が悪いような気がしますが、ネイアさんの報告が長かったのできっとお腹が空いたのでしょう。
それに今日はネイアさんのお祝いの席でもあります。
見逃すことにします。
それにヴィクトリアさん以外の皆さんも結構食べていますしね。
まあ、良いことがあった後なので、皆楽しく食べられていると思います。
ということで、私も皆の輪に加わって今日は楽しくやろうと思います。
と、その前にみんなで誓いあいましょうか。
「「「「旦那様と私たちの未来に幸あれ!」」」」
本当にそうなるといいですね。
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