今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、なぜかおまけで女神を押し付けられる~
第354話~さあ、獣人の国へ向かうための準備をしよう! ついでに嫁たちとのデートも!~
第354話~さあ、獣人の国へ向かうための準備をしよう! ついでに嫁たちとのデートも!~
さて、ダンジョンの件に関する報告も終わったことだし、本格的に西の獣人の国へ行くための準備をすることにする。
ということで、まずは買い出しに出掛ける。
買い出しの場所は王都の商業地区だ。
本当ならいつものようにノースフォートレスの町で買い出しをしようと思っていたのだが。
「折角ダンジョンの報告に王都まで来たのですから、こっちで買い出しをしませんか?」
と、ヴィクトリアが提案してきたので、その話に乗って、こっちで二、三日泊って買い物してから帰ることにする。
ということ、王都の商業区で買い出しをしているというわけなのだが。
「ホッルスットさ~ん。こっちですよ」
「ホルスターちゃん、こっちだよ」
言い出しっぺのヴィクトリアのやつが一番張り切って買い出しをしている。
銀と一緒にあちこちの店を回っては、俺に商品を見て欲しいのか、俺を呼んだりしている。
というか、尻尾を一生懸命振りながらホルスターを呼ぶ銀。何か可愛い。
まあ、二人が来いと言うのなら仕方がないので俺はホルスターを連れて二人の所へ行く。
「この帽子を見てください。かわいいと思いませんか」
「ホルスターちゃん、この帽子、銀姉ちゃんに似合うかな」
二人は帽子を試着したのを俺たちに見せ、そう聞いてくる。
二人とも上目遣いで、目を輝かせて何かを期待している。
こういう時に言うことは決まっている。
「ヴィクトリア、とてもかわいいよ」
「銀姉ちゃん、とても似合っててかわいいよ」
「「ありがとう」」
俺とホルスターに褒められた二人は嬉しそうに笑う。
とてもいい笑顔だ。
そして、この俺たちの様子を見て他の二人の嫁も近寄って来る。
「旦那様、この手袋を買おうと思うのですが、似合うでしょうか」
「ホルスト君、今度コートを新調しようと思うんだけど、これどうかな」
そうやって品物を見せながら俺に聞いてくる。
もちろん俺の返事は決まっている。
「二人ともとても似合うと思うよ。だから、買っちゃいなよ」
「「ありがとうございます」」
ちゃんとそうやって嫁たちの機嫌を取る。
嫁たちの機嫌がだいぶ良くなったところで、買い出しを一時中断して食事でも食べに行くことにする。
「見てください。この最新の『王都レストランガイド』。ここに載っているこのお店。海鮮パスタがとてもおいしいらしいんです」
「海鮮パスタかい?内陸部の王都にしては珍しい料理を出すね」
「そうなんです、リネットさん。しかも結構おいしそうなんで、ワタクシ是非そこに行きたいなあ。なんて思うんです」
「いいんじゃないですか。最近魚をあまり食べていないですし」
嫁たちの話し合いの結果、昼ご飯は海鮮パスタと決まったらしい。
俺に拒否権はない。
なので、早速その店へと向かうのだった。
★★★
その店の壁は白く塗装されていて壁に飾られている意匠も海を意識したこったもので、とてもおしゃれな感じの店だった。
「というか、あれセイレーン叔母様のレリーフですよね?こんなところまで来て叔母様の姿を見ることになるとは……まあ、まだお兄様じゃなくてよかったです」
店の壁の意匠にはヴィクトリアの叔母さんのセイレーンのものもあり、見るなりヴィクトリアのやつが嫌な顔をしていた。
まあ、ヴィクトリアのやつ、セイレーンが苦手だからそんなことを言っているのだと思う。
というか、ヴィクトリアの兄貴のジャスティスのやつはそれ以上に妹に嫌われているようだ。
ジャスティスのやつはシスコンで妹のことを大事に思っているのに、本当に哀れな話である。
それはともかく。
「いらっしゃいませ」
店の受付に行くと店員さんがそうやってすぐに席に案内してくれた。
「旦那様、結構混んでいますね」
「まあ、昼飯時だからな」
昼飯時ということもあって店の中には大勢の人がいた。
客層としては、女性同士やカップル同士といった組み合わせが多く、比較的若い人が多い感じだ。
「さ~て。何を食べましょうか」
席に着くなりヴィクトリアがメニューを開いている。
この店の海鮮パスタにはいくつか味の種類があるようで、トマトスープのとかホワイトソースを使ったのとかそういうのがあるらしい。
「ワタクシはこのトマトのがいいですね」
「私はクリームのが」
「アタシもトマトのがいいな」
と、嫁たちはメニューを見て気に入ったのを選んでいる。
ちなみに俺はエリカと同じホワイトソースのクリームのやつを選んだ。
俺的にパスタはクリームが一番好きだからだ。
なお、ホルスターと銀に関しては。
「ママ。僕はこのハンバーグがのったのがいいな」
「銀もホルスターちゃんと一緒のがいいです」
と、ハンバーグパスタを注文していた。
一応この店は海鮮パスタが売りの店のはずなのだが、子供向けにこういうメニューも置いているみたいだ。
しかし、この二人本当にハンバーグが好きだな。
そういう所が子供らしくてかわいいが。
「銀姉ちゃん、ハンバーグおいしいね」
「うん。おいしいね」
二人ともうれしそうに食べているので何よりだ。
「ガイドブックに書いてある通り、ここのパスタおいしかったです」
「本当ですね」
「満足したよ」
嫁たちも満足しているようで、本当にこの店へ来てよかったと思う。
「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」
さて、飯も食ったことだし午後も買い出しを頑張ろうと思う。
★★★
一方その頃。
某国某建物。神聖同盟の本部では幹部会議の真っ最中だった。
幹部会議は一階の大会議室で開かれ、世界各国から当該国の責任者や司祭、各実行部隊の責任者などが集まって来ている。
「それではこれより会議を始める」
会議は盟主のそんな挨拶から始まる。
「さて、それではこれからの計画の遂行に関する作戦会議を始める。ただ、その前に皆に報告することがある。我々が運営していた生物研究所が壊滅し、そこで培養したキメラたちが全滅した」
「何と!」
盟主の発言に会場中がざわつく。
これは当然の反応だった。
盟主は以前会議でキメラを使って世界に混乱をもたらすと発言していたからだ。
それがおじゃんになったというのだから、出席者たちが困惑するのも無理はなかった。
ただ、盟主はそんな会議場の様子に動揺する気配はなく、こう発言して幹部たちを鼓舞するのであった。
「しかし、案ずることはない。我らが神の復活の準備は整いつつある。お前たちはそれに向けてただ前へ進むだけでよい」
「おおー」
「まずは獣人の国だ。あそこの魔獣を復活させることが叶えば、我らの神は我らの目の前に姿を現すであろう。その時に備えよ!」
「おおおおーーー」
こうして神聖同盟を名乗る邪教と共の会議は進み、次なる悪事の計画が練られて行くのであった。
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