今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、なぜかおまけで女神を押し付けられる~
第328話~妹たちとの大規模訓練終了 前衛職編~
第328話~妹たちとの大規模訓練終了 前衛職編~
なんやかんやとあった妹たちとの大規模訓練場での訓練も終わりが近づいて来ている。
振り返ってみると色々なことがあった。
久しぶりにボランティア教官として参加したら妹のやつに出くわしたし。
その妹のやつはあちこちでやらかしまくっていて借金まで作っていたし。
本当仕方がないやつだ。
前に決めていた通り見捨てようかとも思ったが、あいつが俺の妹だと知れ渡ってしまったせいで下手に見捨てると俺の評判に傷がつくので、それなりに面倒を見てやるようになったのは腹立たしかった。
まあ、いい。
妹はまだしも、妹のパーティーの子たちは良い子たちばかりで、パトリックの世話のバイトのついでにホルスターと遊んだりしてくれたからな。
ホルスターの教育のためには家族以外の色々な人と触れ合うことが大切だと思っている。
だから彼女たちがホルスターと遊んでくれるのは正直ありがたかった。
それはともかく、訓練はもう終わりだ。そうなったら妹には独り立ちしてもらうことにしよう。
妹のやつ、エリカに絞られてそれなりに魔法が使えるようになったみたいだし、ヴィクトリアのじいちゃんに変な呪いをかけられて最悪死ぬことはないそうだから、放っておいても大丈夫だと思う。
ただ、それでも俺にすり寄ってくる可能性はある。
その場合、俺も奥の手を使わせてもらうことにする。
一応俺の実家はヒッグス家の重臣の家柄で、王国では貴族並みの扱いを受けているからな。
そういう家に生まれてしまった以上、妹にはそれなりの責任というものが発生する。
今度すり寄ってきたら妹にはその義務を果たしてもらうことにする。
★★★
さて、それはともかく、とうとう訓練の最終日が来てしまった。
最終日ということで最後はびしっと決めようと思った俺たちは、前日から準備に余念がない。
「ホルスト君、剣を磨く用の油取って」
「ほいよ」
俺とリネットは二人して前日から最終日につけてい供養の装備の手入れを厳重にしていたし。
「ヴィクトリアさん。服に皺ひとつないようにちゃんとアイロンをかけるのですよ」
「は~い」
エリカとヴィクトリアは明日着ていく服の準備に時間をかけていた。
二人して服にアイロンを一生懸命かけている。
ちょっとアイロンの熱が熱いのか、二人とも薄っすらと額に汗をかいている。
二人が着る服はいつも訓練のときに着ていくやつなので特別なものではないが、最後なのでなるべくきれいに整えておきたいということなのであろう。
と、こんな感じで前日から俺たちは準備したのであった。
★★★
訓練の最終日。
俺たちは朝早くから家を出た。
別に最終日だから特別な準備があるとかではなく、先に訓練所に行って気合いを入れておくためである。
「おはようございます」
「あ、おはようございます。今日は早いですね」
「ああ、今日は最終日だからね」
受付の人とそんな話をして訓練所の中へ入って行く。
「それでは旦那様、後ほど」
途中でエリカとヴィクトリアと別れて前衛職の訓練場へ行く。
訓練場へ行くとまだ誰も来ていなかったので待つことにする。
そのうちに全員が集まったので、最終日の訓練を開始する。
今日の訓練は教官たちを代表しての俺の挨拶から始まる。
「お前たち、今までよく頑張ったな。最初に会った時はヒヨッコだったお前たちもここでの訓練で大分強くなったな。最近では面構えまで変わって来て一人前の冒険者のそれになって来た。この調子ならここを出ても冒険者として十分やって行けるだろう。諸君の今後の活躍に期待する。俺から言えることは以上だ。そして最後に一言言おう。卒業おめでとう」
パチパチパチ。
俺の挨拶が終わると、訓練生の子たちが拍手をしてくれた。
とても大きい拍手だった。
厳しい訓練だったかもしれないが、おかげで彼らは強くなれたし、彼らもそれを
喜んでいるのだと思う。
こんな感じで俺の挨拶は良い感じで終わった。
では最終訓練と行こうか。
★★★
リネットだ。
ホルスト君の挨拶も終わり、これから最終訓練が行われる。
最終訓練といっても特別な訓練を行うわけではなく、最初の訓練でそれぞれに指摘した弱点の克服や課題をどの程度達成できたかのチェックである。
「さあ、それじゃあ俺とリネットがチェックしてやるから一人ずつかかって来い!」
ホルスト君がそう言うと同時に訓練生がアタシたちに戦いを挑んで来る。
「君は確か攻撃に集中し過ぎて、足元への注意がおろそかになる子だったね。うん。大分練習の成果が出ていて改善されていると思うよ。卒業後もその調子で頑張ってね」
「はい、頑張ります」
そんな感じでアタシは指導を進めていく。
一方でホルスト君の方も。
「マーガレットは最初に言っていた左腕の使い方が上手くなったな。いいぞ!その調子で卒業後も頑張れ!」
「はい、ありがとうございます」
「ベラも攻防の切り替えが上手になったな。その調子でどんどん魔物たちを突いて倒していけ!」
「はい!頑張っていきます!」
そんな風に一生懸命指導していた。
今はちょうどマーガレットちゃんとベラちゃんの指導をしているところだった。
この二人も今回の訓練で随分と強くなったと思う。
二人はとても素直な子で、アタシたちの言うこともよく聞いて一生懸命訓練していたからね。
おかげで言われていた弱点もかなり克服できたし、上出来だと思う。
こんな感じでアタシたちは丁寧に個人指導をこなしていったのだった。
★★★
「さて、以上で訓練の全日程を終了する」
個人指導が終わると、最後にもう一度訓練生全員が集合し、俺がそう訓示して訓練が終了する。
「それでは、後は卒業式だけだ。魔法使いコースの子たちと合流して盛大に祝ってやる。俺がポケットマネーからごちそうも用意してやったからな。腹が裂けるくらい食え!それではこれで解散だ!全員で卒業式をするぞ!気合いを入れろ!」
「おおおおおおおお!!!!!」
これで前衛職の日程は終了だ。
後、残すは卒業式のみである。
ということで、俺は訓練生たちを引き連れて全力で卒業式に臨むのであった。
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