今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、なぜかおまけで女神を押し付けられる~
閑話休題38~今晩はホルストさんと久しぶりに二人きりですね~
閑話休題38~今晩はホルストさんと久しぶりに二人きりですね~
ヴィクトリアです。
昨日ようやく軍の新人の子たちとの魔物退治を終えて帰ってきました。
相手はたいした魔物ではありませんでしたが、新人の子たちの面倒を見ながらの旅でしたので魔物退治の部分以外での苦労が多かったですね。
人の世話というのは自分のこと以外に気を遣うので本当に大変なのです。
会社とかだと新人教育係何ていう仕事がありますが、今回はあれと同じです。
あの仕事をやったことがある人にはわかると思いますが、人に仕事を覚えてもらうというのは中々に難しいのですよ。
優秀な人はすぐに仕事を覚えてくれるのですが、そうでない人は本当に中々仕事を覚えないのです。
それで、新人ができなければ上司に怒られるのは自分、ということなので精神的につらいのですよ。
え?お前は今までにそんな大変なことをしてきたのかって?
そんなことしたことなんかないですよ。少なくともこの世界に来るまでは。
だから会社云々の話はドラマから得た知識ですよ。
そんなわけでワタクシも今回気苦労が多かったので、疲れたのです。
だから昨日はお風呂に入った後ぐっすり眠っちゃいました。
柔らかい蒲団の上で眠るのは久しぶりなのでとても気持ちよく眠られました。
それで今日なのですが、今日は久しぶりにホルストさんと夜を過ごす予定です。
旅の間は野宿をする機会が多く、ワタクシたち3人ともホルストさんとあまり仲良くできなかったです。
ということで、今日は気合を入れて臨みたいと思います。
★★★
「ふう、朝からお風呂に入るのはやっぱり気持ちがいいですよね」
この日ワタクシは朝からお風呂に入っていました。
なぜ朝風呂に入っているのかって?
もちろんデトックス、解毒のためです。
こうやって温かいお風呂に入って体内の老廃物を汗とともに外に出すのです。
そうやってお肌をきれいにして夜に備えるのです。
ちなみに、この朝風呂はワタクシだけでなくエリカさんとリネットさんもやっていますよ。
二人とも、特に用事がない限り、その日は朝からお風呂に入って十分に準備をするのです。
まあ、こう見えてもワタクシたち3人ともホルストさんのことが大好きですからね。
だからこうやって努力して、ホルストさんの前では少しでもきれいでいたいと思っているわけです。
さて、大分体も暖まって汗も大分かいたので、十分デトックスできたと思います。
そろそろお風呂を出ましょうか。
★★★
「今日のおやつはパンケーキ~。ワタクシのパンケーキは地上最強~。表面がキツネ色になったら出来上がり~」
今日のおやつ係はワタクシだったので、お昼ご飯の後はおやつを作りました。
パンケーキを久しぶりに作りました。
というのも、ワタクシのシスコン兄貴がまだいるので機嫌を取っておくためです。
あの兄貴はこの前もワタクシとホルストさんが一緒に寝ようとしていると恨めしげに見ていましたからね。
本当人のプライベートに首を突っ込むな、と言いたいところですがあいつには無駄でしょう。
ということで、食べ物で機嫌を取っておこうと思って、あいつが好きなパンケーキを作ったというわけなのです。
実際。
「さあ、お兄様。ワタクシの愛情のこもったパンケーキを召し上がれ」
そう言いながらバカ兄の前にパンケーキを置いてやると。
「うむ。ヴィクトリアの愛情のこもったパンケーキは最高なのである」
そう言いながら喜んでパンケーキを食すのでした。
本当は愛情どころか毒気しか入っていないとも知らずにバカな兄貴だと思いました。
それはともかく、これでバカ兄貴のご機嫌取りは完了です。
後は夕飯の後にお酒でも大量に飲ませておけば、すぐに眠くなってワタクシたちのことに口を出してくる余裕はなくなると思います。
これで今晩はホルストさんと楽しくやれるでしょう。
そう考えながら、ワタクシも自分で焼いたパンケーキを食すのでした。
★★★
お風呂に入った後、ワタクシは自分の部屋に戻りました。
とりあえず鏡の前に座って髪の毛を拭くことにします。
お風呂では今晩に備えてみっちりと体を洗ってきました。
多分体中の汚れを一掃できたと思います。
これで、いつホルストさんが部屋に来ても大丈夫なはずです。
「それにしても、髪の毛中々乾かないですね」
後は髪の毛が乾けばパーフェクトなのですが、これが中々なのです。
この世界に来た時は肩くらいの長さだったワタクシの髪の毛は、今は背中ぐらいの長さでキープしています。
自分の人生の中でここまで長くしたのは初めてです。
この世界に来るまではずっと肩くらいの長さで放置していて、たまに長くなったら切るということを繰り返していました。
ここまで長いと髪を乾かすのも一苦労なのです。
さっきからタオルで何度も拭いていますが簡単にはいきません。
ドライヤーでもあれば楽なのですがこの世界にはありません。
いや、正確に言うと試作品を作成中といったところです。
この前ファウンテンオブエルフの地下遺跡でお母様のドライヤーを借りて使ったのです。
それを見て、エリカさんたちもドライヤーが欲しくなったらしく、お母様のドライヤーをここの魔道具職人さんに見せて同じようなものを作ってもらうことにしたのです。
「任せてくだせえ」
そう職人さんは力強く請け負ってくれたので、そのうち製品が出来上がってくると思います。
本当、今から楽しみです。
コン、コン。
と、そんなことを考えているうちに時間が来たようです。
「ヴィクトリア、中へ入るぞ」
どうやらホルストさんがやって来たようです。
★★★
「「カンパイ~」」
ホルストさんをベッドに座らせたワタクシは、冷やしておいたワインを取り出すと、グラスに注いで一緒に乾杯します。
やはり二人で夜を過ごす時に一番最初にこれをやるのはいいですね。
気分が高揚していい雰囲気になるからです。
「そろそろワタクシ横になりますね」
気分が乗ってきたところでワタクシから誘います。
ゴロンとベッドの上に横になります。
いつもならこうなったらホルストさんは我慢できなくなってすぐにワタクシに飛び掛かってくるのですが、今日はちょっと違いました。
「ヴィクトリア、そのなんだ。夫婦生活をする前にマッサージしてやろうか?」
気分がいいのか、ホルストさん、今日はマッサージしてくれるみたいです。
「本当ですか?お願いします」
もちろん、二つ返事でワタクシはお願いしました。
だって、ホルストさんのマッサージは気持ちがいいんですもの。
ホルストさんって力が強い上、体のツボとかにも詳しいらしく、揉んでもらうと昇天しそうな気持ちになれるのです。
「それでは」
ワタクシがうつ伏せになると早速ホルストさんが背中に乗ってきてマッサージ開始です。
「行くぞ」
ホルストさんが背中や肩、首のあたりのツボを手の指で優しく揉んでくれます。
「あああーん。気持ちいいです」
それが気持ち良くてワタクシはそんな感じで思わず声を上げます。
そのくらい気持ちがよいのです。
こうやって夜二人きりの時にダーリンにマッサージをしてもらえると、本当に一緒になって良かったと思います。
そうやって、30分くらいマッサージをしてもらうと、血行が良くなって汗をかいていました。
折角お風呂に入ったのに、とも思いますが、よく考えたらこれからたっぷり汗をかくことになるのだから一緒のことです。
「さあ、ホルストさん、どうぞ」
そうやって誘いの言葉を発すると、今度こそホルストさんはワタクシに飛び掛かってきました。
こうして、ワタクシ、いやワタクシたちは久しぶりの夫婦生活を楽しんだのでした。
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