閑話休題26~明るい家族計画~

 ドラゴン軍団を退けてしばらくした頃。


 アタシ、リネットと、エリカちゃんとヴィクトリアちゃんの3人は最近できたというカフェに来ていた。

 ちなみに、ホルスター君と銀ちゃんはエリカちゃんの実家に遊びに行っている。


「ちゃんとおじいちゃんとおばあちゃんの前ではいい子にするのよ」

「うん、わかった」


 そうやって、エリカちゃんが送り出しているのを朝見た。

 後、ホルスト君は、


「ダンパさんが相談があるっていうからギルドへ行ってくる」


と、ホルスター君たちをエリカちゃんの実家へ送り届けた後、ギルドへ出かけて行った。 そういうわけで、残されたアタシたちは暇なので、こうしてカフェへ来たというわけだ。


「私は、ミルクティーを」

「ワタクシはカフェオレを」

「アタシは、ホットミルクがいいな」

「それと、この季節のフルーツタルトを3つください」

「畏まりました」


 アタシたちの注文を受け付けると、女性店員さんは下がって行った。

 それで、いつもの女子トークが始まった。

 最初に口火を切ったのはエリカちゃんだ。


「みなさん、そろそろ旦那様との夜の生活にも慣れてきたころだと思いますが、どうですか?」

「「え、いきなりそれ聞いてきますか」」


 エリカちゃんの質問にアタシとヴィクトリアちゃんが、恥ずかしくて顔を真っ赤にする。


 というか、言っているエリカちゃんも顔が赤い。

 やはり、自分で言ってて恥ずかしいのだと思う。

 まあ、こういう話、普通の女の子は割と好きだと聞くけど、実際に口に出すのは恥ずかしいものだと思う。


 それでも、アタシは何とか勇気を振り絞って口を開く。


「うん、中々順調じゃないかなあ。ホルスト君って、真面目そうなのに、二人きりになったら積極的に攻めてくるからね。今は避妊薬飲んでいるから妊娠しないだろうけど、将来、薬の服用を止めたらすぐに子供ができそうな気がするよ」

「ワタクシも似たような感じですね。ホルストさんって、火がついたら中々冷めないですからね。多かったら、一晩で5回くらいしますからね。そういう時は疲れるので、こっそり『体力回復』の魔法を使ったりしますね」


 アタシたちの赤裸々な話を聞いて、エリカちゃんが満足そうに頷いている。


「ふふふ、どうっやら、あなたたちも夫婦生活というものが大分わかって来たみたいですね」

「はい。大分わかってきました。今なら、どうして前はあんなに夜の生活を嫌がっていたのか、自分でもよくわからないです」

「全くヴィクトリアちゃんの言う通りだ。あんな楽しいことを、なんで怖がっていたんだろうね。過去に戻れるのなら、昔の自分に早く踏み出しなさいと言ってやりたいね」


 そうやって、3人で忌憚なく感想を述べると、3人同時にフフフと笑った。


「でも、最初というのは女の子にとって怖いものだと思いますよ。女の子には防御本能というものがありますから、つまらない男に引っかからないように、簡単には体を許さないように、無意識の中で思っているのだと、私は思いますね」


 なるほど、そういうものなのかな。

 エリカちゃんのその意見に二人で納得したような顔をしていると、


「お待たせしました」


ちょうど、注文の品が来た。


 アタシたちは一旦話を中断して、おやつを食べ始める。


「うん。おいしいですね。この季節のフルーツタルト。近所の奥さんたちの間で評判になっているだけのことはありますね」

「確かに、フルーツがたくさん乗っていて、見た目も申し分ないしね」

「これは……旦那様たちにもお土産で買って帰りましょう。後、お母様たちにも手土産として持って行きましょう。店員さん、すみません」


 そう言って、店員さんを呼ぶと、


「何でしょうか」

「このフルーツタルト、お土産として包んでもらえますか」

「畏まりました」


エリカちゃんはそう言って、フルーツタルトをお土産として持ち帰るようにするのだった。

 このようにアタシたちは、フルーツタルトを心から堪能したのだった。


★★★


 タルトを食べた後は、話が再開される。


「それで、あなたたちは何人くらい子供が欲しいですか」

「ワタクシは最低2人。できたら3人くらいは欲しいです」

「アタシも3人くらいかな」

「私は5人くらいほしいですね。ということは……」


 エリカちゃんが指を折って数を数える。


「合計で10から11人くらいですかね。そのくらい居れば十分ですかね。それだけ子供がいれば、孫も2,30人はできるでしょう。老後も孫たちに囲まれて、楽しく過ごせそうですね」

「「そうですね」」


 子供一人につき、孫が3人くらいはいるだろうと仮定すれば、確かにそのくらいの数の孫が家に遊びに来るようになるはずだった。

 それは幸せそうな未来だとアタシは思った。


 他の二人も思いは同じらしく、素敵な夢を見ている顔をしていた。


「さて、意見も出そろったことだし、明るい家族計画でも計画しましょうか。まず、前にも言っていた通り、アリスタ様の依頼を終えたら、3人一緒に子供を産んで、旦那様を驚かせてやりましょう」

「いいですね」

「アタシも賛成」

「その後は、一人ずつ順番に産みましょうか」

「「いいですね」」


 と、このようにしてアタシたちは将来について楽しく語り合うのだった。

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