第七話 休息 ー壱ー
一狩り終えた俺は虚無の弾丸本部に来ていた。
虚無の弾丸本部は警察署のような外観で、入ってすぐのところに受付がある。
虚無の弾丸本部の受付で身分証カードを渡すと、情報を照会し、賞金の振込や賞金首のランクに応じたポイントが付与される。
ポイントの合計が月毎に集計、リセットされ、虚無の弾丸内で賞金稼ぎのランキング上位者が公表される。
受付でカードを渡す。受付嬢は情報を照会し、賞金をカードにチャージした。
「二人分の死体は情報屋経由でこちらに回収されましたので、三人分の賞金をチャージいたしました」
「了解。いつもありがとな綾ちゃん」
受付嬢の名は雨宮綾(あまみやあや)と言い、眼鏡をかけており、黒髪美人だが、スカートの裏に爆弾や銃を忍ばせており、元殺し屋だ。
捕縛された賞金首の中には、虚無の弾丸の更生プログラムを受け、更生に成功した者の一部が身体のどこかにタトゥーを入れられ、マイクロチップを埋め込まれ、虚無の弾丸本部に雇用されている。
綾ちゃんもその中の一人だ。
更生できなかった者がどうなったかって?
それは末端の賞金稼ぎには伝わらない機密事項だからわからない。
言い忘れていたが、情報屋は酒場のマスターのことで、複数の店舗を不定期で経営している。
裏の顔は情報屋兼ハッカーであり、マスターも元々は俺が捕縛し更生プログラムを受けた一人で、今は心強い協力者だ。
また、マスターの下には掃除屋と呼ばれる組織があり、そいつらが死体を虚無の弾丸本部に運んでくれる。
まあ死体処理以外もやってくれるがな。
カードを受け取り、俺は虚無の弾丸本部を後にした。
近くの定食屋で昼食をとり、花屋で薔薇の花束を買い、俺は墓地にやってきた。
墓石の前に薔薇の花束を置き、手を合わせた。
「ごめんよ、まだ仇は取れそうにないや。またな」
そう呟き、俺は墓地を後にした。
墓地を去る時に、雨が降ってきた。
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