6日目

目覚めると隣に裸の相手がいる、そんな朝にも慣れてきた頃だ。モニターの半数以上は暗く映り、脱落したであろうペアの多さを思い知らされる。


「なぁ美菜子、ここから外に出たらどうする?」

「何を言ってらっしゃるんですか慎二様、私は永遠にあなたの奴隷です」


この演技も自然とできるようになったのか、それとも、情が湧いた相手への本心からなのか。

食料はあと2日分、予定通りだ。このまま乗り切れば、解放される……。


ここでまた放送が鳴り響く。

「みなさまこんにちは、肉奴隷として、管理者として、条件を果たせているペアが今7組残っています。残り2日も気を緩めずにお過ごしくださいね……」


美菜子は思った。

(ここまで衣食住に気を遣いつつ1週間過ごしてくれた相手なんて今までいなかった。私は、このまま慎二さんの奴隷でも良いかもしれない)


慎二は思った。

(初対面であったのにここまで助け合おうと思える相手に出会ったのは初めてだ。このまま美菜子さんと、添い遂げたい……)


そう、人間1人の衣食住の管理をすることは大変難しいのだ。放送によると、ほとんどのペアはそれができずに音を上げて脱落していったという。

吊り橋効果と言えども、慎二と美菜子が惹かれ合っていたのは事実であった。


「美菜子、部屋の掃除と食事を済ませたら、いつも通り俺に奉仕しろ」

「はい、慎二様、準備ができたらまたお声がけ致します」


「慎二様、掃除と食事をさせていただきました。どうぞ楽な姿勢で横になってくださいませ」

「美菜子、今日は俺が上になるから、仰向けで寝ろ」


いつも通り行為をする。しかし、いつもと違ったのは、慎二が辛そうな表情をしていたことだった。

「……っ、慎二様……何か……お辛いことでも……?」

そして美菜子は驚いた。慎二が涙を流しながら行為に及んでいる。

「美菜子……!美菜子……!俺は、お前を愛している……!」

美菜子は思わず慎二の背中に腕を回した。そして、

「わ……私もです……!慎二様……!!」


美菜子、美菜子、と名前を呼びながら行為を続ける慎二。慎二様、と答えながら喘ぐ美菜子。2人の間には確かな愛情が芽生えていた。

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